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酒販免許取得のすべてがわかる!初心者向け完全ガイド(4) 通信販売酒類小売業免許 ― WLS

前回は、酒類の販売業免許の区分と、一般酒類小売業免許についてお話しました。
今回は、通信販売酒類小売業免許について解説していきたいと思います。


前回の補足

まずその前に今回は、前回の一般酒類小売業免許について補足しておきたいと思います。
酒類を販売する場合、酒税法に基づいて、販売場所ごとにその場所の所轄税務署長から酒類販売業免許(以下「販売業免許」。)を取得する必要があります。これは、たとえば本店で販売業免許を持っていても、支店で酒類を販売する場合には、その支店の所在地の所轄税務署長から新たに販売業免許を取得しなければなりません。

販売業免許には、販売先や販売方法に応じた区分があります。その中で、販売場所において消費者や酒場、料理店などの酒類を取り扱う業者に対して、原則としてすべての種類の酒類を小売できる免許が「一般酒類小売業免許」です。

販売業免許を取得せずに酒類を販売した場合、酒税法により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。また、偽りやその他の不正な行為によって販売業免許を取得した場合など、一定の条件に該当すると販売業免許が取り消されることがあります。

一般酒類小売業免許を受けるためには、申請者、申請者の法定代理人、申請法人の役員、申請販売場の支配人や申請販売場が各要件を満たしていなければなりません。

その要件は、
1.人的要件
2.場所的要件
3.経営基礎要件
4.需給調整要件

があります。

この要件については、後にご説明しますので、ここでは割愛します。


通信販売酒類小売業免許

それでは、今回は通信販売酒類小売業免許についてご説明いたします。

通信販売酒類小売業免許とは、通信販売によって酒類を小売することができる免許のことです。
それでは、通信販売とはどのようなものか、酒税法関連の規定を見てみましょう。

通信販売の定義

通信販売酒類小売業免許とは、通信販売(2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象として、商品の内容、販売価格その他の条件をインターネットやカタログの送付等により提示し、郵便、電話その他の通信手段により売買契約の申込みを受けて、その提示した条件に従って行う販売をいいます。以下同じ。)によって酒類を小売することができる酒類小売業免許のことです。

これを簡単に言うと、次のようになります。
インターネット上にホームページを開設し、特定商取引法に基づく表示等を適切に行った上で、2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象に、定められた条件のもとでメールやFAXなどの通信手段を用いて受注し、販売することです。
一般的にこのように解釈されますが、もちろん、インターネット販売だけが通信販売ではありません。TVやラジオ、カタログを利用した販売もここでいう通信販売に含まれます。

カタログを送付する等の方法とは

「カタログの送付等」とは、カタログを郵送などで配布したり、備え置いたりする方法のほか、チラシを新聞折り込みや郵送等で配布したり、備え置いたりする方法、雑誌や新聞への広告掲載、テレビ放送を利用する方法を指します。

通信手段とは

「通信手段」とは、郵便、電話、FAX、パソコンでのWebサイトやメールを使った方法、電報、または銀行口座への振り込みなど、様々な方法を指します。

また、通信販売を行う場合でも、販売対象が国内の2つ以上の都道府県にまたがらない、つまり、1つの都道府県内の消費者等のみを対象とする場合には、「通信販売酒類小売業免許」ではなく「一般酒類小売業免許」が必要です。例えば、お酒の配達を自分の店舗の周りのお客さんだけに行い、他の県に配達しないことが確実であれば、この「一般酒類小売業免許」が適用されます。

ただし、販売場所が都道府県の境に近い場合(例えば、道路を挟んで向かい側が別の県であるなど)、その県にも配達する可能性があるため、そのような場合は必ず税務署に確認してください。


通信販売免許と販売できる酒類について

通信販売の免許を持っていても、すべてのお酒が販売できるわけではありません。この免許には、販売できる酒類に制限があります。特に国産の酒類については、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

①「特定製造者」と呼ばれる、前会計年度における酒類の出荷量が3,000キロリットル未満の製造者が作る酒類。 簡単に言うと、大手メーカーが作る有名なお酒(例えば、菊正宗やアサヒビールその他)は通信販売で取り扱えません。通信販売で販売できる国産のお酒は、中小の酒造業者が作る地酒などに限られます。

②地方の特産品を原料として、大手以外の製造者に委託して作られたお酒で、その委託量が1年間で3,000キロリットル未満であること。
この条件については、明確な特産品のリストが存在しないため、具体的には税務署と相談する必要があります。また、販売者が大手酒造メーカーに製造を委託する必要がありますが、現実的には中小の販売事業者が大手に製造を依頼するのは難しい場合が多いです。

輸入酒類について

輸入酒類については、国産の酒類のような制限や規制はないため、自由に取り扱うことが可能です。

また、お酒の通信販売を行う場合には、提出する書類の中に「その他参考となるべき書類」というものがあり、その中で様々な表示をしなければならない決まりがあります。
どういうものなのかについては、非常にたくさんの項目が定められており、後日通信販売酒類小売業免許の解説の機会があればお話したいと思います。どうしても気になって夜も寝られない方はメールいただければお知らせします笑

今回はここまでにしますね。

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