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お笑い芸人『粗品』がつくった とある一曲に涙した話|music


こんにちは。

ロックバンドRADWIMPSのギター桑原さんが脱退してしまい、10年程前に病気で脱退したドラム智史を含めた初期メンバー4人の音楽を、とうとう聴けなくなったことに対して深い悲しみに襲われている中川です。

私は、2024年7月よりnoteをはじめ、毎週土曜日に記事を投稿しています。家づくりをされている方や、夢を追いかける若造を見守って下さる方は、お気軽にスキ、フォロー、コメントして下さると大変励みになり嬉しいです。

自己紹介はこちらの記事をご覧ください。

さて、今回は月に一度程度の雑談回です。建築や不動産の話は一切なしで、趣味や日常からテーマを決めています。

仕事も遊び、遊びも仕事と言った考え方に共感しているため、何気ない話題から共感してくださる方が増えたらいいなと思っています。

今回は…お笑い芸人『粗品』

いや、アーティスト『粗品』の“音楽”についてです。とある一曲をご紹します。

自己紹介の記事にも記しましたが、お笑い、特に漫才が大好きです。緻密に考え抜かれたお笑いが爆発する瞬間。笑いは至高です。

粗品さんを知ったのは、愛してやまないテレビ番組「M1グランプリ」。漫才日本一を決める大会を当時史上最年少で制すと、勢いそのままに、翌年ピン芸人日本一を決める「R1グランプリ」を制しました。

近年は、噛みつき芸という毒のある芸風からアンチも多い方ですが、『本当に優しい人』なんです。

そんな、名実ともに『日本一面白い人』になった粗品さんですが、実は音楽も作っています。昔から絶対音感があり、ボーカロイドの作曲などを行っておりました。

そして、最近はアーティストとしてご自身で作詞作曲し、ご自身の声でライブツアーも行っております。

前置きが長くなりましたが、粗品さんの楽曲の中から、心に刺さってしまった新曲『泣声夜』という曲をご紹介いたします。

粗品さんの音楽は深読みしたくなる仕掛けが多く散りばめられていることでも有名です。そのため、あくまで私の主観による解釈であることをご理解ください。

記事の最後にMVのリンクがございます。




▪粗品が『泣声夜』をつくった理由

ミュージシャン『粗品』


「お笑いで救えない人も音楽でなら救えるかも」

これは粗品さんが音楽を始めた理由です。
粗品さんは言います、

お笑いは人を笑顔にする力がある。でも全てがお笑いになってしまうので、“死にたい”くらいどん底まで沈んでいる人は救えない。万能じゃない。でも、笑いなしの真っ直ぐな音楽なら救える人がいるかもしれない。

素敵な考えです。

しかし、粗品さんはとてつもない矛盾にぶつかってしまいました。

『耳が聞こえない人に音楽は伝わらないんじゃないか』

これに気がついてしまった粗品さんはものすごいモヤモヤに襲われ、いてもたってもいられず、今回の新曲をつくったそうです。

泣声夜は「耳が聴こえない人に届ける音楽」でした。制作にあたり多くの耳が不自由な方方にインタービューをしたそうです。




▪変化する場面

音楽室で歌う粗品さんの声に気が付かない女子生徒


泣声夜はMVが公開されたことで一気に話題になりました。

ストーリーは、耳の聞こえない主人公の女子生徒と、一緒にいる数人の友人の日常を描いた学校での物語です。

ありがちな『耳の聞こえない人をいじめる』と言った安い表現ではなく、耳が聞こえないことで友達と楽しみを共有できない、といった胸が苦しくなる表現となっております。友人たちに悪気がないからこそ、歯がゆく、切ない描写です。

そんな中、サビの度に粗品さんがストーリーに登場し、耳の聞こえない女子生徒に音楽を届けようとします。

その場面が、体育館→音楽室→教室と変化していきます。

体育館では広すぎて耳が聞こえない女の子に音楽が伝わりません。

音楽室ではカラーライトを使用し、視覚的に音楽の持つ雰囲気を伝えようとしますが、あまり伝わりません。

そして最後の教室。最後は全てを解放するように空気や物から伝わる振動を利用して音楽を伝えます

その教室での粗品さんの全てをぶつける様子に胸を打たれます。




▪繰り返すフレーズの意味

叫ぶ粗品さん


サビでは『泣声、泣声、泣声、泣声、泣声、泣声夜〜』と繰り返します。

かなり振り切っているなあと感じるサビです。

これが何度も聞いていると…
『泣、声泣、声泣、声泣、声泣、声泣、声泣声夜〜』と聞こえてきます。

『声無き声よ』に聞こえた瞬間、震えました。

耳が聞こえない方は、会話をすることもあまり得意でない方が多いです。そんな人たちが普段飲み込んでいる声を代弁するかのような会心の一撃に感じました。



▪口パクによって逆転する立場

口パクのシーン


曲の間奏で粗品さんが口パクで声を出さずにカメラに向かって叫ぶ場面があります。

速さと独特の動きから何を言っているのか判断することは難しいです。

そうです。普通の人は。

しかし、耳が不自由な方々は僕らにはない能力を持っています。それは、唇の動きから発話の内容を読み取る能力“読唇術(口話)”です。

今までは「〇〇って言ってたよー!」って伝えられてたいた耳の不自由な方々が、コメント欄で「読唇術できる人読み取ってー!なんて言ってるか教えてー!」と頼られているんです。

天晴れ。言葉にならない気持ちになりました。

歌を楽しむ上で、『聞こえない』という大きすぎるハンデを逆手にとり、盛大に逆転する状況をいとも簡単につくりあげたのです。

いまだにコメント欄に正解は出てないと粗品さんは言っていましたが、私が見て1番しっくりきたのは以下の文章でした。

楽しいこともあるし 嬉しいときもある
そんな反面 みんな泣声夜
誰が優れてるとか誰が劣ってるとか
そんなんないねん
みんなと一緒



▪衝撃のラスト

ラストのシーン
女優さんも素晴らしかった


すでにお腹いっぱい大満足のMVですが、最後に衝撃が待っていました。

初見の方はここに1番ビックリされると思います。



しかし、ここで記すのは野暮な気がします。こちらは実際にご覧いただきたいです。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。ぜひ粗品さんの会心の一撃をくらってみてください。




いかがでしたでしょうか。

2024.10.9 Zepp Nagoya アツい夜でした


1週間前、名古屋へ粗品さんの音楽ライブに行ってきました。そこで泣声夜を歌ってくださったんですが、歌い出し前のMCで、

泣声夜は耳の不自由な方に向けて作った曲だけど、そうで無い人にも届いてほしい。今日まで涙を流した夜を思い出してほしい。それは決して嬉し泣きでは無いはず。人生で1番泣いたのは悔し涙のはず。悔しかったよな。キモかったよな。生きててくれてありがとう、みんなを褒めたい。

と言っていました。あの粗品さんがライブのMCではひたすら泣いていました。お父様がご病気で亡くなっていることは有名なお話ですが、それ以外にも死ぬほど悔しい夜を超えてきてるんだなと。

そんな素敵な一夜を少しだけ共有させていただきました。

他にも、
・はるばらぱれ
・サルバドルサーガ
・オーディンの騎行(きこう)
・不条理な外連味(げれんみ)
・翌貿の薦濯祉(よくぼうのせんたくし)
・ビームが撃てたらいいのに

と…挙げだすとキリがないですが、このあたりの曲がお気に入りです。闘う系の音楽です。

私は毎週土曜日に、不動産業界のリアルや家づくりの疑問について更新していますので、お気軽にスキ、フォロー、コメントして下さると大変励みになり嬉しいです。みなさんの理想のお家、読んでみたい記事のテーマについてコメントで教えてください‼

お付き合いいただきありがとうございました。
それではまた来週。





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中川直樹|超体力で不動産と戦う建築家
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