べーーーってして見せたげる

舌ピを開けようと思った。

ピアスを増やす行為は父に禁止されてるけれど、そんなのどうでもいいくらい舌に穴を開けたくなった。

ニードルを開けて、消毒して、軟膏をつける。
その間にピアスのボールをとって、これも消毒する。

ピアスを7個も開けた女だ。もう塞いだものも合わせると10個いくんじゃないかしら。

だからこれらの流れは慣れたもので、すぐ終わった。

いざ。

、、いざ。

、、、、いざ。


耳たぶ、軟骨、指、手の甲、首にニードルを突き刺したことのある私は、痛みを知っているからこそ怖気付いてなかなか刺せないでいた。

何度も何度も位置と角度を確認して、ついに私は刺した。

あんまり痛くなかった。

裏側に到達した時は少し痛かったけど、思ったより全然マシだった。

なんだ、こんなものか。と、思った時に消しゴムがズレた。

うわやらかした。

貫通させるときの狙いが定まらなくなって、斜めになって、こりゃ不格好になるぞ、と察したのでニードルを引き抜いた。


ドロリ、と血が流れ、舌全体が赤く染まる。


あら、綺麗、なんて考える暇もないくらい血が溢れてくる。

やっぱり血って不味い。

でもやっぱり血って綺麗。私の可愛くない顔も綺麗に見せてくれた。

それが嬉しくて写真を撮った。

それから、大して痛くないのでピアスホールを抑えて止血をした。

タオルはよだれと血でグチャグチャになったので、ニードルやキッチンペーパーと共に捨てた。

これで私の第1回舌ピ開通の儀は終わりを迎えた。


最後に、腕をちまちま切るよりも、ピアスをサクッと開ける方が、私には合ってる気がする。可愛いしね。

とりあえず、舌ピを開けるまで私は死なない。

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