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混乱続きの(?)新生カリフォルニア州司法試験
先日Bloomberg Lawにこんな記事が掲載されていました。
CA Barは2025年2月の試験から大きく試験方式が変わるのですが、受験生の間でもかなり混乱が起こっているようです…。今回は自分の整理も兼ねて、新生CA Barがどのようなものなのかを書いてみたいと思います。
なお、この記事はあくまでも公式サイトから得られる情報をまとめたものであり、内容の正確性については保証しません。記事の内容は参考程度に留めていただき、必ず原文をご確認ください。
変更点1: 原則としてリモート・オンライン試験に
The General Bar Exam will be administered remotely and/or in-person at vendor-run or State Bar-run test centers beginning the last Tuesday in February and July of each calendar year.
上記のとおり、従来はCA州内の会場で受験する試験だったのが、2025年2月の試験からは基本的にリモート・オンライン試験に変わりました。ただし、従来どおりテストセンターで試験を受験することも可能です。
2月試験のFAQによると、In-personでの受験を希望する方向けにはLos Angeles・Sacramento・San Francisco・San Diegoの4箇所にテストセンターが設けられるようです(FAQ-5参照)。
ただし、テストセンターでの受験はAccommodationが必要な方が優先されるとの話もあるようですので、基本的にはリモートで受験する方向で考えた方が良いのかもしれません。
リモート試験はProctorUを用いて行うそうなので、TOEFLのHome Editionと同じ方式でしょうか(私は会場受験派だったので、どんな様子か分かりませんが…)。
時差さえ調整できれば日本からでも受験できるようになりますし、既に日本の法曹資格をお持ちの方であればLLM留学をしなくとも受験資格を満たすので、従来よりは受験のハードルが下がったと言えるかもしれません。
なお、FAQ-43以降にリモート試験の注意点が書いてあります。主なポイントは受験中は受験している場所への第三者の立ち入り(ペット含む)が一切不可、食べ物や飲み物は水のみOK、といったあたりでしょうか。
変更点2: MBEに代わり、独自のMultiple Choice試験を採用(MCQs)
各州の司法試験においては、NCBE(National Conference of Bar Examiners)が作成するMBE(Multistate Bar Examination)をMultiple Choice試験として採用するパターンが圧倒的多数です(CA州を除けば、採用していないのはルイジアナ州とプエルトリコのみ)。
CA州も2024年7月の試験まではMBEを採用していたのですが、2025年2月の試験からはKaplan(資格予備校の一つ)が作成するMultiple Choice試験を用いることとされたようです。公式サイト上ではMCQsと呼ばれています。
なお、試験時間と量はMBEと変わらず、90分×4セットの合計200問であるようです(FAQ-1参照)。
余談ですが、MCQsを作成するKaplanはThemis(別の資格予備校)と提携してCA Bar Exam向けのBar Prepを提供しているようです。CA Bar受験者がBar Prepを受講するとすればThemis一択になるのでしょうか…。
その他は従来どおり(なはず)
細かいことを言えば受験料が値上がったりしているのですが、試験自体に関して言えばその他の部分は従来どおり(なはず)です。
2025年2月の試験当日のスケジュールはFAQ-24に記載があり、両日とも午前8時スタート、1日目は1時間の論文試験×5と90分のPerformance Test、2日目は90分のMCQs×4で終わりです。
当然ながら、リモート受験であってもIn-personの試験会場と同じ時間(=PST)で受験しなければなりません(FAQ-17・45参照)。アメリカ国内で受験するとしても、東海岸側で受験する場合には時差を考慮する必要があります。
2025年7月の試験についてはまだ詳細が出ていないものの、例年どおりであれば3月1日から受験申込が始まるようです。
とにかく2月受験者の情報待ちか…
とりあえず分かる範囲でどんな試験になるのかをまとめてみましたが、実際どうなのかは2月受験の報告を待つほかなさそうです…。なにか情報が入ったらまた更新したいと思います。
(2025年2月18日追記)
2月の試験直前ではあるものの、どうやら特例としての受験辞退の受付が始まったようであり、受験料も全額返金となる模様です。