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確証バイアス

自分の言ってる事は正しいはずだもん!

だって〇〇さんも〇〇君も〇〇ちゃんも正しいって言ってたもん!

だから正しいんだもん!




それ以外の1億人が間違ってると言っても。




確証バイアス
認知バイアスの一種で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかり集めてしまい、反証する情報を無視して集めようとしない傾向の事。
稀な現象も過大評価して、常識化してしまう事が多々ある。




はじめまして。

お久しぶりの方はお久しぶりです。

僕です。


今回から少しの間、心理効果の説明に度々登場する「認知バイアス」について解説していこうと思います。

認知バイアス」っていうのは所謂、思い込みだったり慢心だったりの事を言います。

ただ色々種類があるので、一つずつ取り上げて紹介していこうと思います。


そして、今回は「確証バイアス」について解説します。

どうぞよろしくお願いします。




人はどうしても自分の考えを正しいと思いたいがために、数多ある情報の中から「自分の考えと同じもの」を選んでしまうのです。

これは無意識化であり、心理効果の「カラーバス効果」が掛かっている為です。


悪い事じゃないんです。

でもどこかで「同じことを考えている人はいるが、それが正しい訳ではない」という意識を持っておくべきかと思います。

もっと言えば「自分は確証バイアスにより正しく思いたいだけだ」と思えたら大分素晴らしいですよね。




え?

私はそんな事ない?

ちゃんと正しく論理的に考えられてるって?




なるほど、良いですね。

それでは超有名な実験を紹介しましょう。

そちらで貴方が「確証バイアス」に掛からず、本当に論理的な思考で考えられているか検証してみましょう。




ウェイソン選択課題


ここに4枚のカードがあります。

表面には数字、裏面は赤と青の色が塗られています。

さて、ここで仮説を立てます。

偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である

この仮説を検証する為にはどのカードをひっくり返すべきでしょうか。


選択肢は4枚ありますね。

正しく検証する為であれば1枚に限らず2枚、3枚めくっても大丈夫です。

さて、「偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である」という仮説を証明する為に貴方はどのカードを何枚ひっくり返しますか?

もちろん、論理的な思考ができるのであれば最低限の枚数で済ませる事ができるはずです。


さあ、考えてみましょう。










考えました?

もう考えるの面倒で進めている方は、もうその時点で論理的な思考を捨てている方ですね。

もう少し考えてみて下さい。










いやマジで。

ちゃんと考えて下さい。

どのカードをひっくり返しますか?










よし、良いでしょう。

流石にこれぐらいにしておきましょう。


偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である

この仮説を立証する為の選択で多い答えは2通りあります。


それは

4のカードをひっくり返す

それと

4と赤いカードをひっくり返す

という答えです。




皆さんも思いついたんじゃないですか?

どうですかね。







どちらも間違いです。

残念。




どんまいでーす。




いえーい。




君たちは「確証バイアス」に陥っています。

確証バイアス」により論理的な思考ができていないのです。


それではドヤ顔で解説をさせて頂きます。


ウェイソン選択課題

ウェイソン選択課題」という実験ですが、これはその名の通りウェイソンさんが1970年ぐらいにやった実験ですね。

偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である」という仮説を立証する為に「4のカード」と「赤のカード」をひっくり返したとします。

4の裏が赤で、赤の裏が2」だとしても、「青の表が6」だったら仮説は立証できていない事になります。

ここで正しい選択肢は「4のカード」と「青のカード」をひっくり返す事です。

これが答えなんですねー。


青のカード!?関係なくね!?


分かりますよー。

その「確証バイアス」。

思ったでしょ?

赤のカードひっくり返して3とか5だったら違うじゃん」って。

分かる分かる。

もう一度仮説を読んでみて下さい。

偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である

ほら、もう一度読んでみるのです。

どこにも「赤色のカードの裏は偶数である」とは書かれていないですよね。

つまり「赤いカードは奇数でも偶数でも良い」という訳です。


気付きましたか?

これが「確証バイアス」です。


貴方は自分の中で「偶数=赤」という誤った認識を持ち、それをただ立証しようとしてカードをめくってしまったのです。


偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である」という仮説が正しいか調べる為に、「偶数の数字を全部調べて赤かどうか確認する」というのは間違ってはいません。

しかし、非効率的で論理的な思考ではありません。

また、「赤のカードを調べて偶数だったら良し」というのは仮説を肯定しようとしているだけで、検証としては足りていないのです。

何故なら先ほど言った通り、「他に偶数で青のカード」が存在してしまった時点で仮説は破綻してしまうからですね。


この実験で「確証バイアス」がどう関わっているか、お気付きですか?


4のカード」と「赤のカード」を選んだ貴方は無意識下に、仮説を立証する為に「仮説を否定するもの」を考えから排除してしまっているのです。

仮説を否定するもの」、この4枚であれば「青のカード」がそうですね。


この実験は論理的思考の有無を調べるものではなく、あくまで感覚の中で「仮説を否定すること」を避けてしまうという事が分かる実験です。

そして、大半の方が誤った選択肢、「仮説を肯定すること」を選んでしまうというお話でした。




いやいや、俺はちゃんと選んだよ!

間違う訳がないぜ!




もちろん正しく論理的な思考で選択できた方も居るとは思いますが、むしろこの選択問題では珍しいケースと言えます。

何故なら「確証バイアス」は無意識化で起こるからです。




この「確証バイアス」を通じて何が言いたいのか。




今回の実験に正しい選択肢はありますが、少数派になります。

という事は、実験の正誤で言えば、「間違っている方が正しい」とも言えますよね。




では正しいとはなんでしょうか。




間違ってはいるが、それが正しい。

色んな場面であると思います。

誰でも騙されてしまう手口
誰かを守る為に仕方なくやる
失う訳にはいかないから嘘を吐く
傷付けない為に隠した

正しい事だけが本当に正しい訳ではない。

これは、皆さんの人生で必ず経験する事だと思います。




そして、同じ答えを持つ人が居るから正しいという訳でも無い。




この世界には色々な答えと方法があり、見方や考え方、立場や現状が違えば正しさというのは変わるという事です。







だから人に迷惑掛けても良いかって言ったらそんな事はないけどな。

殴られたら殴り返すけど、それすら正しいかって言ったら正しくねえって言われるんだから。


良いか?

ちゃんと考えろっつってんだ。


な?




じゃ、僕はこれで。

ありやしたっ。


サポートして頂いた方の事は一生忘れません。 靴ぐらいなら喜んで舐めます。