同調効果
絶対Aだと思ってるのに、みんながBって言うなら...。
とりあえずBで良いかな。
という話。
「同調効果」
不正解の選択肢だと分かっていながら、自分以外の多数が選択していた場合、一緒に不正解の選択肢を選んでしまう。という恐ろしい心理効果。
どうも、僕です。
今回は1951年にソロモン・アッシュさんが実験して一躍有名になった「同調効果(同調現象)」についてご紹介します。
日本人は特に注意が必要な心理効果ですので、心して下さい。
(以前紹介した「傍観者効果」と似た側面がありますので、こちらも合わせてご覧ください。)
ソロモンさんが行った実験はとてもシンプル。
被験者1人に対して7人のエキストラを用意。
とても簡単な問題を作り、8人に選択形式で答えて貰うというものです。
しかし、1つだけ落とし穴があります。
それは、被験者以外の7人が全員不正解の選択肢を選ぶ問題があるという事です。
(18門中6問は正解を選び、12問は不正解を選びます。)
自分の答えだけが違う時、人はそれでも正しい答えを選択する事ができるのか。
という実験な訳です。
簡潔に結果をお伝えすると。
エキストラ全員が正解を選んだ18問中6問は、被験者も自信を持って正解を選んでいました。
が。
エキストラが不正解を選ぶ残りの12問では、被験者も不正解を選んでしまう傾向が見え、なんと全問正解できた被験者は5人に1人!
25%しか居なかったのです。
問題が普通に難しいのでは?
分かるわー。
でも実際の実験で使われていた問題は
同じ長さはどれでしょう?
これで全問正解が25%はさすがに酷いと思いませんか?
これが「同調効果」の恐ろしいところです。
精神的な観点からみると、被験者は自然と「全体(集団)」を意識してしまう事で、正に「傍観者効果(過去記事参照)」と同様の集団意識が芽生えてしまう訳です。
(責任分散や評価懸念が正にそれです。)
これの最たる悪は「絶対不正解だよな」と分かりながらも不正解を選んでしまう事にあります。
これは日本人だけでなく世界中で問題になっている心理効果です。
こうして人は長いものに巻かれ、出る杭を打ち、いじめを傍観し、新しい物を受け入れず、匿名に紛れて誹謗中傷を書き殴る訳です。
怖いねー「同調効果」。
ただ、今回伝えたかったのは怖いねーという事ではないのです。
「同調効果」というものがある以上、自分の答えに自信が持てず、人に合わせてしまい、誤った選択肢を選んでしまうという事は
当たり前だという事です。
自分の意思をちゃんと持つとか、正しいと思った事を曲げないとか。
それは本当に本当に難しい事なのです。
心理効果を理解するという事は人の気持ちを読む事ではありません。
人の弱さを知る事に繋がるのです。
何か思いのほか綺麗にまとまりそうなので、余計なことを付け加えず今日はこの辺でお開きにしましょう。
ではまた次回。