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サイクルツーリズム
サイクルツーリズムの魅力や可能性はどうなんでしょうか?
SDGsと親和性が高いサイクルツーリズム
サイクルツーリズムはその特性上、持続可能な開発目標(SDGs)との親和性が高いです。これは、環境負荷の低さ、地元産業の振興、そして土地、河川、海の豊かさへの賞賛を通じて明らかになります。ここでは、その中でも特に関連性が高い目標をいくつか挙げてみましょう。
SDGs、つまり持続可能な開発目標とは、全ての国連加盟国が2030年までに達成を目指す目標であり、これは17の大目標と、それぞれを具体化した169のターゲットから成り立っています。
SDGsの目標3は「全ての人に健康と福祉を」を求めています。特に高齢化社会において、健康を増進し生活の質を向上させるためには、適度な運動が欠かせません。自転車は有酸素運動でありながら身体への負担が少ないため、多くの人々にとってダイエットや疾病予防に有効な手段となります。
また、地方は車社会となる傾向がありますが、サイクルツーリズムの導入により、過度な車依存からの脱却が期待できます。これは大気汚染や自動車事故の減少にもつながります。
SDGsの目標11は「住み続けられるまちづくりを」を掲げています。少子高齢化と過疎化による人口減少は、産業やインフラの劣化を招き、地方の衰退をもたらします。しかし、サイクルツーリズムによって町の特性や魅力が再発見され、交流人口が増えることで地元産業の振興や地域社会の活性化が期待できます。
さらに、自転車は人間にとって最も身近な乗り物であるため、自転車に優しいまちづくりを推進することは、地域で暮らす住民にとっても住みやすい環境を創り出します。結論として、サイクルツーリズムは健康促進、持続可能なコミュニティ開発、地域の経済活性化といった面で、SDGsの目標達成に大きく寄与する可能性を持っています。自転車は個々の健康に貢献するだけでなく、地域社会全体の福祉にも影響を与えます。地域の自然環境を保全し、地元産業を振興し、適切なインフラを整備することで、自転車が一部のレクリエーションから日常生活の一部へと変わることが期待できます。このようにして、サイクルツーリズムは持続可能な未来への重要な一歩となるでしょう。
有名な観光地がない、交通の便が悪いといった課題を抱える地域で有望
新しいツーリングコースの開拓 多くのサイクリストは、未踏の新しいツーリングコースを求めています。サイクルツーリズムを導入する地域が魅力的なコースを提供すれば、サイクリストがその地域を訪れる動機づけになるでしょう。
健康と環境へのポジティブな影響 適度な自転車運動は、健康維持やストレスの軽減に効果的とされています。自分のペースで気軽に移動できる自転車は、体力に自信がない人にも取り組みやすく、また、一定のカロリー消費により、地元の美味しい料理を楽しむのにも最適です。
さらに、自転車は排気ガスを排出せず、自動車による移動に比べて環境に優しく、交通渋滞も引き起こしにくいため、地域への負荷も軽減します。
地域観光資源の掘り起こし サイクルツーリズムは、地域がこれまで無視していた資源を新たな観光資源として価値を見いだすきっかけとなり得ます。
有名な観光地がない、交通の便が悪いといった課題を抱える地域も少なくありませんが、サイクルツーリズムを展開することで、これらの課題が逆に有利に働くこともあります。短時間で訪れることができる小規模な施設や自然風景、車の通行が少ない裏道や街道、厳しい坂道が好まれる傾向など、サイクルツーリズムならではの特性を活用することで、町の魅力が再評価され、新たな価値が見つかることでしょう。
課題
まず、インフラストラクチャの不足が挙げられます。サイクルツーリズムは、適切な自転車道、安全な駐輪場、自転車修理サービスなどの基本的な設備が必要です。これらが整備されていない地域では、サイクルツーリズムの発展は困難です。
次に、地元住民との関係性が問題となることもあります。サイクルツーリストの増加は、交通量の増加や騒音、ごみ問題などを引き起こす可能性があり、地元住民との摩擦を生むこともあります。
また、情報提供の不足も課題の一つです。サイクルツーリストは、ルート情報、宿泊施設、飲食店、緊急連絡先などの情報が必要です。しかし、これらの情報は不十分であることが多く、旅行者にとって困難を引き起こす可能性があります。
さらに、環境への影響も無視できません。自転車はエコフレンドリーな交通手段である一方で、自然環境へのアクセスが容易になることで、自然環境への負荷が増える可能性があります。
課題を乗り越えてサイクルツーリズムが全国で普及することを願っています。