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流通戦略と収益性

メーカー流通間のレバレッジ(力関係の原理)

メーカー<流通

流通主導型のレバレッジ(力関係の原理)について説明します。これは、製造業と流通業の間で力関係が存在し、特に流通業が優位に立っているケースを指します。

この力関係は、大規模小売業者が多種多様な製品を取り扱うことから生じます。大規模な流通業者は、多くの顧客に対して商品を供給する力を持っており、製品の選択、価格設定、販売方法などを自由に決定することが可能です。そのため、製造業者は、自社の製品が流通業者の棚に並ぶためには、流通業者の要求を受け入れる必要があります。

例えば、ある製品がある流通業者の店舗で売られているとします。この製品は売れ筋で、多くの消費者がそれを求めています。流通業者はこの製品を扱うことで利益を得ているため、製造業者に対して価格割引や追加のマーケティング活動などを要求することが可能です。

このように、流通業者は製造業者に対して価格や納期、品質、サービス等の面で大きな影響力を持つことができ、この力関係の原理をレバレッジと呼びます。製造業者は流通業者と良好な関係を維持し、自社製品の市場への流通を確保するために、このレバレッジに対応しなければなりません。

このような流通主導の力関係は、製造業者が数多くの小売業者に製品を提供する場合や、特定の製品が特定の小売業者に大きく依存している場合などに特に顕著になります。

メーカー>流通

メーカー主導型のレバレッジ(力関係の原理)について説明します。これは、製造業と流通業の間で力関係が存在し、特に製造業が優位に立っているケースを指します。
メーカー主導型では、メーカーが強いブランド力、独自性、または技術力を持っている場合に見られます。こうしたメーカーは製品の価格、供給条件、マーケティング戦略などを主導することができ、流通業者はこれらを受け入れざるを得ません。
例えば、ある製品が他の追随を許さない独自の特性や高い技術力を持っているとしましょう。この製品は、他の製品とは異なる価値を提供し、消費者から高い需要があります。このような場合、流通業者はメーカーからの供給を確保するため、製造業者の設定した条件に従わざるを得なくなります。
たとえば、Apple社のiPhoneのような強力なブランド製品は、これに該当します。iPhoneの独特な特性とブランド力は、流通業者がAppleの設定する価格や供給条件を受け入れるように強制します。もし流通業者がこれらの条件を受け入れなければ、iPhoneの販売権を失う可能性があり、結果として顧客を失うリスクがあります。
このように、製造業者が流通業者に対して強い影響力を持つことができる場合、これをメーカー主導型のレバレッジと言います。流通業者は、製造業者から提供される製品が消費者の需要を満たし、自社のビジネスを成功させるためには、このレバレッジに対応しなければなりません。


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