洋ゲー初心者が勘違いしてる概念3つ
洋物のゲームに関してさまざまな用語があり、初心者が大いに勘違いしているようだ。なのでいったん説明して、間違った言葉を濫用するのをやめてもらいたいなと思って筆を取った。
今回は以下の3つの用語について説明したいと思う。
ローグライク/ローグライト
ハクスラ(Hack and Slash)
トレハン(Treasure Hunting)
んまぁ言ってしまえば、初心者どころかゲームメディアまで間違っていたりするからなんだかな~感はある。
ローグライクとライトの違い
昨今は一般に、ローグライクといえばマップがランダム生成で、キャラクターの強化にランダム性があるものを指している。ローグライトはその軽い奴みたいなあやふやな定義になっていて、存在自体が無視されたりしている。
元来ローグライクとは、「Rogue」系のクローンのことを指していて一定の定義があった。じゃあそもそもライクとライトって、そこに違いはあるのかいって話になると思う。あるんです、完全にそれらを隔てるものが。
ローグライトには有名なゲームとしてSlay the SpireやHadesなどがある。ローグライトはいうなれば川下りで、分かれ道に来た時に左と右のどっちに行くかという選択しかなく、戻ることができない。StSもHadesも完ぺきにそうだろう? Hadesはそのプレイ幅の狭さから生粋のローグライク好きには評価されていない。
一方でローグライクを見ると、燃料=食料の要素があり、それが許す限り戻って稼いだり、脇道と本筋のどちらに行くか判断したりする。このリソース管理による判断の層(レイヤー)が多いこと、これがローグライクとライトの違いだ。
多くの人がローグライクをプレイしたことがないと思う。最近は実質的にローグライトばかり発売されているからだ。比較的ローグライクに近いメジャーなゲームとして不思議なダンジョンシリーズがある。食料に基づく空腹度を管理し、同じ階で稼ぐか進むかって悩ましい。ちょっと想像してみてほしい、空腹度がなく部屋が一方通行だったとしたらどうだろう? これがローグライトのプレイ感であり、ローグライクとはまったく異なるものなのだ。
じゃおすすめのローグライクの話をしたいところだが、ないんだなこれが。純粋なローグライクが発売されなくなってしばらく経つ。ギリローグライク感のあるゲームとしてRisk of Rainシリーズがある。こちらは時間経過で難易度が上昇するため、経路の選択や行くか戻るかなど、一般的なローグライトよりは判断の幅が広い。よければ遊んでみな。
ハクスラ(Hack and Slash)
ハクスラとはかつてテーブルトークRPGのバトルがメインの遊び方を意味していた(古典的ハクスラ)。今ではDiabloクローンの事を指しているかというとそうでもない。
ハクスラについては国内だけでなく海外でも混乱があったようだ。2010年代までは無双シリーズや、Devil Must Dieシリーズなどもハクスラとされていたが、今ではキャラクター・アクションとも呼ばれているようだ。
ハクスラとは単にジャンルを指すわけではなく、多くの敵を倒すプレイ感を指すあやふやな用語になってしまった。今やゲームジャンルはそれが属する領域の単語をあてがうのではなく、タグ付けが主流になっていくと思うし、その方がふさわしいのかもしれない。
だからハクスラと言った時にはDiabloクローンを指すのではなく、多くの敵をさくさく倒す感じなんだな、と捉えるのがいいだろう。
トレハンとは宝探しである
トレハンといったときにある程度ゲームを嗜んでいる人は、たくさんの敵を刈り(=ハクスラ)、レアアイテムをゲットするんだな、って思うかもしれない。これ間違いです。
あのー海外の人がTreasrure Huntingって言ったとき、基本的に地図をもとにお宝を探すアクティビティのことを指します。海賊ごっことか、まぁFF14でいう宝の地図ですわ。
英語圏の人がハクスラの文脈でトレハンと言うのを見たことがない。だからトレハンと言い出したのは、たぶん過去にDiablo 1とかをやっていた日本人なんだろうな、という想像。
日本人がトレハンという行為をレアアイテム集めだと規定すると、海外の人はそれをMFと呼ぶ。MFはMagic Findの略で、かつてDiabloの装備にそういう効果がついていて、MagicやRareがドロップしやすくなるものだった。そこから転じてレアアイテム集めのことをMFと呼んでいると思われる。
あるいは単にFarm(日本語で言う稼ぎのこと)と呼ぶ。最近のハクスラは、グレードの高いレアアイテムのターゲットファームがしにくいので、トレハンという行為自体が少ないか、そもそもない。
まとめ
ゲームの製作者やメディアはしばしば考えなしに「ローグライクがー」とか「トレハンがー」とか濫用してる。こいつらは激浅いので、眉に唾つけて読んだ方がいい。ワンチャン、キャッチ―な言葉として採用してる可能性もあるがな。