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『ちたへんりーワソマソライブ』を観て感じた圧倒的なサービス精神


 Tシャツを着ると両肩がヒリヒリして痛い。そう、この時期避けては通れぬ“日焼け”をしてしまった。
数年ぶりのプールで気持ちがプカプカ浮つき、有無を言わさず日光に浴びられたのだから仕方が無い。
全ては私の責任だ。

そんなことはどうでもいい。

 久々に“夏”という夏を満喫できている今年の夏。
その中でお盆直前の8月12日、楽しみの1つだった『ちたへんりーワソマソライブ』へ行って参りました!!

 私が彼の存在を知ったのは、Spotifyでランダムに流れていた『Take it easy』という曲を聴いたのがきっかけである。

まず、その“声”に惹かれた。
当時はまだ顔出しをされていなかったため、声だけでは男性なのか女性なのかすら明確では無かった。
私が情報を知らなかっただけかもしれないが、どちらでも違和感の無い透明感を感じるちたさんの声に一気に引き込まれた。

「え、この人は誰なんだ!?」

少し大袈裟な反応であるが、これくらいの衝撃は受けた覚えがある。

それからというもの、年月が経つ中で新曲が度々リリースされ、それをチェックしながら密かに応援を続けていた私だったのだが今年の6月頃に今回の『ちたへんりーワソマソライブ』の情報を知り、“初”ワンマンは行くしかない、と思い立ってチケットを購入した。
そして、余韻ひたひたの今に至る。

 場所は「神戸VARIT.」。
三ノ宮駅から徒歩圏内にあるライブハウスなのだが、個人的には大阪以外のライブハウスに行くのが初めてだったため、色々な意味でドキドキしていた。

18:00開場の18:30開演。
開場〜開演の時間が短いって最高。
初めてのライブハウスに入ってからの余韻が冷めない内にライブが始まるテンポ感、ハマる。

入場してドリンクを引き換え、1階の後ろに待機。

話が逸れるが、ライブハウス内の至るところにビートルズのポスターやジャケットのプリントが貼ってあり、装飾が個人的どストレートだった。
いつかまた行きたい、神戸VARIT。

 もとい、開演時間の18:30。
BGMがフェードアウトし、アコギ(?)の音からライブが始まった。
このときまだ幕が閉じられていてちたさんの姿は見えない状態。

いざ、幕が開き記念すべき最初の曲は『スーパーパンピー』。

私は音楽の理論的な知識は無いけれど、この曲はカントリーミュージックのような軽やかさで、まさに今回のワンマンライブを印象付ける重要な1曲。

 2曲目は『さいだー』。

「ここでやっちゃう!?」

と、意表を突かれたのには意味があって、この曲はちたさんのYouTubeで最も多く再生されている曲なのである。

いや、歓喜よ。歓喜だけれども。夏だから分かるけれども。
巨大な打ち上げ花火を予想もしなかったタイミングで打ち上げられたような。

ちたへんりーの“純”が溢れ出ていた。

夏をテーマに作られている曲は疾走感があるものが多く、様々なミュージシャンが作っているのだけれどもちたさんは“田舎”という環境で育ったからか、夏に背伸びを感じない。

自身で経験した“夏”をそのまま歌詞に反映しているよう。
だからか、夏の爽快感だけで無く気怠さなんかも感じられる。自然体の夏。

人気曲を序盤に持ってきてくれるこのサプライズは圧倒的サービス精神である。

 その後、数曲を演奏しMCへ。
今回のライブではMCは5回。
数を見れば多く感じるかもしれないが、毎回ベラベラ喋るという風な形では無く次の曲の振り付けレクチャーなどをしてくれたときもあったので歌唱とのバランスは良かった。
バンドメンバーの方々の雰囲気も良く、皆さんがとても楽しそうに演奏をされていたのが印象的で、ちたさんはそういう空気を作り出すことができるアーティストなのだなと改めて感じられた。

 そして、ライブの後半には“弾き語りゾーン”なる演出があった。

これもまた、着飾らない(半分海外の人にはなっていたけれども)ちたさんのユーモアが溢れるコーナーになっていて、英語名義のThitta Henry(?)というキャラに変わって弾き語りをしてくれたのですが、これは星野源さんの「ニセ明」のオマージュだったらしい。
これはご本人が仰っていたので言っちゃって良いでしょう。

 この“弾き語り”では、ちたさんのチャームポイントである「ゆるさ」が存分に発揮されていた。

キャラを作ってコーナーを進めていたのに途中で

「今はひらがなのちたへんりーですけど、」

とメタ発言ぶっこむあたりさすがのゆるさ。
これもまた場を和ますためのサービス精神だなと。

 ゆったりとした弾き語りコーナーから一転、最後のMCになるとそれまでのゆるさから切り替わり、観客に対してこれからの日常のエネルギーとなるような温かいメッセージを届けてくれた。
それに続く本編最後の曲、『それでも』。

言葉数が少なくても伝わる曲、そんな中身の詰まった曲でライブの本編は締めくくられた。

「ちたへんりー、初ワンマンにして出し切ったな?」

それだけパワフルかつ自然体な魅力が溢れていました。

 アンコールは最新曲の『かえりみち』&『さいだー』2回目。
こんなカロリー過多の曲を最後に持ってくるのか!?と思った途端ご本人が

「エネルギー使うのでライブの後半にはあまりやらない曲やります」

と言い放ったので、案の定でした。

でも『さいだー』やってくれたおかげで爽やかな後味でかえりみち帰れたよ。

 凝縮された“初”ワンマン、圧倒的サービス精神で感銘を受けました。ありがとう。
ちたへんりーさんはじめ、出演者の皆さんスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。

素敵な時間をありがとうございました!



あ、そうそう。

『Take it easy』ライブで聴くまでは諦めません。

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