警察からスカウトされた話

先日、高校へ通学途中に電車内で知らない人の精液を背中にかけられた。その日は、気持ち悪さに耐えられず登校したその足で早退した。帰宅後警察に通報し、現場検証というものを初めてやってみた。

#9110に電話をした時から、なぜか私は無駄に冷静で、電話口で一連の状況説明をしている時もまるで他人の出来事を喋っているようだった。

そんな冷静な状態のまま現場検証に入り、ホームのどの辺から電車に乗っただとか、どの辺で精子をかけられただとかを詳しく説明した。本来ならこの時にフラッシュバックで気分が悪くなるらしい。現場検証が始まってから最初のうちは警察の方も地雷を踏まないようにオブラートに包んで私と会話をしていたのだが、話していくうちにどうやら私がフラッシュバックをしないとわかった途端、なんでも直球で詳細な話を聞いてきた。

手についたのは本当に精子だったのか、匂いはどうだったんだ、制服とはいえスカートが短すぎだったんじゃないか?このスカートの長さじゃあかけられても仕方がないかもな。ははは。

現場検証が終わり、家まで車で送り届けてもらう最中に警察官2人組の上司らしき方が私を警察に勧誘してきた。
どうやら大学に行かなくても警察にはなれるらしい。高卒の俺でもこんなに活躍しているんだと誇らしげに話してくれた。そんな誇り高き警察官直々に私も適正だと判断された。

翌日昨日の一連の流れを学校に報告したら、担任が憤怒してくれた。
クレームの電話を入れてくれたらしい。嬉しかった。

私は未だにかけられたものが本当に精子なのかが分からない。

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