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バンコクの「15分ポケットパーク」イニシアチブ

case | 事例

タイ・バンコクでは、環境を育み、住民の生活の質を高めることを目的に「15分ポケットパーク」政策を進めている。同政策は、バンコクの都市全域の住宅から徒歩15分または800メートル圏内に緑の公共空間を簡単に利用できるようにすることを目指している。バンコク都庁(BMA)が指揮を執り、既存の公園や活用されていない空間をコミュニティパークに改変しているところで、既に100カ所以上のポケットパークが整備されているが、今後4年以内に500カ所まで増やすことを目標に掲げている。

整備するポケットパークは、単なる緑地ではなく、住民が自然と触れ合い、運動し、コミュニティの交流ができる共用空間として設計されている。既に設置されたポケットパーク周辺の住民はポケットパークが生活の質を大幅に向上させたとして政策を賞賛している。この政策は政府の取り組みだけでなく民間企業の参加も歓迎・奨励されており、公園は、バンコク首都圏庁(BMA)の他、国営企業や民間部門が所有することができるとしている。タイ公共放送Thai PBSはこの政策に合わせて屋外空間を一般利用に開放している。

当事業の財政的支援は、公園の設計、監督、維持管理を支援するプラットフォームであるWeparkが行っている。このプラットフォームは、より健康的で緑豊かなバンコクを作るという共通の目標に向かって、複数の利害関係者が結びついて、協力して政策を推進している。15分ポケットパーク政策は単なる環境キャンペーンではなく、地域の交流を促進し、住民の生活の質を向上させ、環境問題に立ち向かう持続可能な都市環境を作り出そうというバンコクの決意として受け止められる。

insight | 知見

  • 日本ではPark PFIが流行っていますが、公園利用者の利便性向上、公園管理者の効果的な公園整備、民間企業の安定的な施設運営といった、公園そのものが議論の中心になる場合が多く、記事にあるバンコクのWeparkのように官民が共通目標として持つような、公園を使って都市をどのように良くしたいのか、という議論が少ないのではないかと思いました。