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Beam社は豪ビクトリア州でAIを用いた電動キックボードの歩道走行検知技術を実証
case|事例
電動キックボードのシェアサービスを手掛けるBeam社は、オーストラリアのビクトリア州メルトン市でAIを用いた歩道走行検知技術の実証を9月1日から開始した。この実証はDrover AI社との協働で、利用者のコンプライアンスと安全性の向上を目的としている。また実証結果は、市議会および政策立案者と共有され、インフラの改善や安全対策に活かされる。各自治体の規制が異なるオーストラリアで、今後の政策や規制の策定に影響を与える実証になると期待が寄せられている。
AIを用いた歩道走行の検知は、Drover AI社が開発した「Path Pilot Module」によって行われる。Path Pilot Moduleでは、リアルタイムに車道、自転車道、歩道を検知し、歩道を走行している場合、自動的に走行速度を制御することができる。
今回の実証では、150台の電動キックボードにこの技術が搭載される。50台には最も高度な技術が搭載され、歩道走行を検知された時点で走行速度が自動的に落とされ、警告が発せられる。他の50台では速度の制御は行われず、歩道走行を検知した際に音声による警告が行われる。残りの50台はコントロールグループとして、走行場所の検知は行われるが、警告などのリアルタイムのフィードバックは行われない。今回の実証実験はデータの収集と技術の効果を検証することが目的とされており、この3つのグループを比較することで利用者のコンプライアンスや安全性へどの程度の効果をもたらすのかが明らかにされる。
Beam社は、すでに標準的な利用教育プログラムと取り締まりを実施している。利用教育プログラムでは、利用前にアプリでガイダンスを行うと共に、安全クイズでルール教育を実施している。また、交通量の多いエリアで独自にパトロールを実施し、走行違反や駐車違反を繰り返した場合は一定期間の利用停止、危険な行為や違法な利用があった場合は恒久的に利用禁止するなどの罰則も導入されている。
insight|知見
ルール違反を取り締まらなければ、ルールの徹底は期待が難しいように思います。一方で、警察官が頻繁にパトロールをして取り締まりを行うというのは現実的ではないので、このケースのように技術によって違反の検知や制御を行うことも考えるべきだと思います。
インフラも未熟で、制約も緩い状況下で新しいモビリティの利用が普及することは、限られた道路空間がより混沌としてしまうだけではないかと危惧してしまいます。