16. なぜ内向的な人間は魅力的なのか

内向的な人が持つギャップ
 僕は外向的な人よりも、内向的な人の方が魅力的に感じる。その一番の理由は、内向的な人は自分の"好き"を内側に持ち備えているからだ。それに奥深さを感じ、独特の世界観を感じるのだ。良くも悪くも裏表があり、それがいわゆるギャップになる。
反対に、外向的な人は、こちらが何も言わずして裏の顔までも見せてくれる。そのためギャップを感じづらく、その人に対するイメージは一辺倒になってしまう。だからと言って外向的な人に魅力がない訳ではない。

オタク気質
実際に、内向的な人は趣味だったり好きなことを持っていたり、自分の信念やこだわりを強く秘めている人が多くはないか?
いわゆる"オタク"と呼ばれるのは内向的な人たたちだ。自分の好きなことに深く没頭している。自分の世界にのめり込んで、一人の時間を楽しむことは、オタクにとって至高である。

外向的な人はどちらかと言うと、「何をするか」よりも「誰とするか」の方に重きを置いている気がする。だから飲み会や食事など、人との時間に価値を見出す。      一方で内向的な人は、「誰とするか」よりも「何をするか」に重きを置き、一人で本を読んだり音楽を聴いたり映画を観たりと、自分の時間を過ごすことに価値を見出している。こうした一人の時間が内側で考える時間を生み、自分と向き合うことで独特の世界観ができあがっているのだと思う。

広く浅くか狭く深くか
僕は外向的な人はどうしてもノリのいいミーハーに思えてしまう。いい意味で周りに合わせることができることや、流行りに敏感でいろいろなことに興味を持てることは素晴らしいと思う。一言で言えば、"広く浅く"タイプだ。もちろん中には"広く深く"という超人タイプもいる。これは交友関係にしても趣味にしてもだ。外向的な人はそもそも趣味がない人も多そうだ。僕は友達が少ないので分からないが、エンターテインメントの守備範囲が広いことは、友達が多い人にとってはマストだろう。こうした"ミーハー""ニワカ"というイメージが、薄っぺらいイメージをつくってしまっているのかもしれない。
反対に内向的な人は、"狭く深く"タイプが圧倒的に多い。交友関係は狭いし、好きなことはとことん好きだ。流行りにはあまり乗らないし、他人にどう思われようが好きなものは好きだ。好きになったものはとことん深くのめり込む。僕の勝手なイメージだが、ファッションにせよ音楽にせよ、"センス"のある人は皆、内向的でどこが影がある。

実際に、自分と同じ趣味を持つ知り合いと話していても、外向的な人はミーハーが多く、内向的な人は熱狂的な人が多い。上辺だけではなく、深く熱いものを持っている人間の方が魅力的ではないか?

内に秘めているからこそ美化される
内向的な人が魅力的な理由の一つとして、「言葉にして外に漏らさないが、内に秘めているものが透けて見える」ということがある。
内向的な人は、思っていることをあまり声に出さない。というのも、必要に応じて言葉にするか、言葉にするならどう伝えるかをものすごく考えている。例えば仕事の時は発言が必要な時があるだろうし、相手との関係上言う必要があるのかないのか、どう伝えるべきなのか、人を選んで言葉を発する。だから本音を言える人もいればいない人もいる。外向的な人も同じく相手は選ぶだろうが、内向的な人の方がより繊細に思える。

たまに、 「内向的な人は喋らない、何も考えていない」という浅はかな人間がいる。何も考えていないのではない。考えた上で、「お前に喋る価値はない」と思っているのだ。内向的な人は皆、言わないだけで頭の中でめちゃくちゃ考えている。(それをうまく発散できずに気を病んでしまう人も非常に多いように思える)

「日頃、何を考えているんだろう?」と思うような内向的な人が、たまに本音を言う時がある。その時、自分に心を開いてくれたと思うと同時に、考えていることの答え合わせができた感じがしてめちゃくちゃ嬉しい。さらには自分にはない発想を与えてくれることも多い。
だからこそ内向的な人の声は重要で、内側で考えていることそのものに価値がある。

なぜ内向的な人間は魅力的なのか
内向的な人は普段は何を考えているか分からないが、思った以上に奥が深いし、自分にはないものを与えてくれる。
だから最初の印象で「この人はつまらない」と決めつけず、相手の心をこじ開けることができれば、その人の本当のおもしろさに気づくことができる。

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