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-半夏生-|毒を薬へと変容させる。成長から成熟への過程で花は咲く。


2021年7月2日〜7日までは半夏生です。
一つ前の梅雨入りの目安となる雑節「入梅」とは、夏至を挟んで鏡合わせの関係にある時期でもあります。

半夏生とは、梅雨明けの兆しを知らせるとともに、この時までに作付けや田植えを終えるという目安の時期です。


半夏生の頃には、半夏という毒草が顔を出します。ドクダミの仲間で、漢方で使われる植物としても有名です。

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画像出典:Wikipedia

古くから半夏生の時期は天から毒が降るため農作業をすることを控えた方がいい、というような言い伝えが各地にあり、物忌の期間と言われてきました。

成長から成熟へ。

きっとそれらは、背丈を伸ばす方向へ使っていた成長のエネルギーを、花を咲かせ実や種をつけるという内側に熱を閉じ込める成熟のプロセスへと転換させていく時期、ということをあらわしているのでしょう。

そのための一休み、一呼吸。

そして毒。

春からのやり方で、成長へとエネルギーをこの先使い続けていくことはあらゆる場面で「やりすぎ」を生じやすく、それは知らず知らずのうちに「毒」となる。これまで外に発していた成長のエネルギーを内側へ向け、それが弾けるかのように花が咲きます。それはまるで、お盆の夜空に咲く花火のように。

熱を抱きこむことは、時に自分に負担をかけるものだけれど、今の自分に受け取りやすいようにその熱を変容させ、自分に対して慈悲深い姿勢でいようとすることこそが、毒を薬に変えるというプロセスかなと感じています。

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この時期といえば、紫陽花。美しく大好きな花なのですが、実は紫陽花の葉はとても強い毒を持つ。紫陽花は夏至の前から先んじて、毒を変容させるという叡智を私たちに知らせてくれていたのかもしれない。

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