わたし地球(子宮)にかえります|スヌーズレンは子宮帰りでもあるのかもしれない
今週はいつも使っている一時保育施設が休園(コ○ナで)、で一週間娘と過ごすWeek。お互いになんだかちょっとギスギス。
今日は娘、朝から虫のいどころが悪いのかご乱心。抱っこ抱っこ。こっちを見てくれモードだが、わたしも付き合うほど気力がない。おいおいと泣き喚く娘を前にどうしたものかと考えていたら、キッチン前の小さな空きスペースが気になった。
ここではいつもお店屋さんごっこをするのだけど、今日はここに入ってもらって、彼女が大好きな布団でぎゅっと包んであげた。
娘の顔がみるみるほぐれて、目を見開き、キラキラとさせながら止まっている。
あぁそうか、彼女は子宮に帰りたがっていたのか。
と気づく。
子供って、時折急に赤ちゃん返りすることがあるのだけれど(グングン成長を感じるとき特に)、それは一度原点に戻って足場を整えているのかもしれないなぁと思った。大人とおんなじだ。
より再現できるように、わたしのピンク色のストールでカーテンを作ってあげた。
「ママ、赤ちゃんはお腹にいる時、へその緒で繋がっているんだよね」
と娘が言うので、お腹にマスク用に買って余った柔らかいゴム紐を巻いてあげて、うさちゃんお母さんと繋いだ。
そして、あずきホッカイロを電子レンジでチンしてお腹に抱えてもらって、BGMにyoutubeで心臓の拍動音を流した。近くにある冷蔵庫のブーっという電子音と混じっていい感じである。
いきなりストールを開けると「生まれるまで開けちゃいけないんだよ」と怒られる。もういないいないばぁは通用しない年齢域に達したらしい。
「もしもし?赤ちゃん、いつ生まれてくるの?」と言いながらポンポンとノックすると、「えーっとまだです〜あと2日です〜」と4歳児の声がする(笑)。
「あのさ、赤ちゃんて喋らないんじゃないの?」というと、じゃあどうするんだよとプリプリするので、手や足でとお腹(ストール)を押し返すんだよと教えたら、話しかけるごとに優しくピンク色のストールがふわふわと動くようになった。
・・シュールだ。そして謎におもしろい。
わたしは洗濯物を片付けて、資料を整理して、パソコンで仕事をして、昼ごはんを作って、時々ピンク色のストール越しにポンポンとノックした。
その間、娘は好きなタイミングで何ども生まれてきて「よく生まれてきたね」そしてまた子宮に戻って「いつ生まれてくるの?」をひたすら繰り返していたくご満悦。
そういえば、今から約10年ほど前、震災をきっかけにわたしはスヌーズレンという活動を少しだけ手伝っていた時期がありました。
(写真出典:Wikipedia)
Sunffelen(クンクンとあたりを探索する様子)+Doezelen(ウトウトと気持ち良い様子)=Snoezlen(スヌーズレン)
スヌーズレンとは、この2つを掛け合わせた造語で、もとは1970年代にオランダで重い知的障害がある人の余暇活動として始まりました。
この活動を行う空間スヌーズレンルームには、光・音・匂い・振動・触覚の素材等、感覚を優しく刺激するものが効果的に配置してあります。
利用者はこの空間で、自ら好きな感覚を楽しみ、誰からも指示されない特別な時間を過ごします。
(スヌーズレン・ラボ HPより)
日本では障害を持つ方を対象として広まっているスヌーズレンですが、お国柄的なものもあるのでしょうが、オランダやスウェーデンなどでは障害の有無を問わず広く浸透しているようです。日本でもそんな風に、たとえば親子で入れるスヌーズレンルームがあったらいいなぁと当時は動いていました。
「じゃあねママ、わたし、ちきゅうに帰ってくるね」と娘。
なるほど、ちきゅうとしきゅうって言葉が似てるね。
娘と子宮帰りで遊んでいたら、ふとスヌーズレンのことを思い出して、スヌーズレンってもしかしたら一種の子宮帰り的体験でもあるんじゃないかなぁなんてことを感じたのでした。
中にイルミネーションみたいな電球を入れたり、好きなBGMを選んでもらったりしてもいいなぁと思った。だんだん実際の子宮ではなく、自分自身でいつでも帰ってくる子宮的な場所を作っていくようになると思うから。