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子供のケアは親子ともに気持ち良いものを|赤色クレイからオーベルニュの赤マリアのまなざしにつながる


二十四節気通信の「小雪」でクレイを使ったケアについて触れてみました。

クレイとの出会いは、娘のアトピー性皮膚炎がきっかけでした。
冬場、乾燥が強くなってくると背中を痒がりだす娘。一時はあまりの痒さに家族ともに夜寝ることができず、朝起きて娘の背中に目をやるとサスペンスもびっくりなほどの血が滲んだパジャマを見る、という毎日。

詳しくは、こちら。子育て十牛図というところにイラストと共に書きました。


最初はね、意気込んでいましたよ。

曲がりにもセラピストをやってきたので、洋の西東問わず、いろんなことをやってみては娘の背中の痒みに対処してきたのです。そして、効果があると思しき方法は全部試しました。しかしどれもパッとした効果はなく、私はかなり精神を病んでいました。

ステロイドを塗っても、治った傷口の横にまた新しい傷口ができる、というモグラ叩き状態。保湿してもしても染み込まず。
そうこうしているうちに、彼女の症状が何か、彼女からの訴えのように思えてきて、これは根が深いもの、体質としてみていかなくてはいけないものなんだと思って、鍼灸院と漢方薬局の門を叩きます。


そこで鍼灸師の先生に言われた言葉が、
「お母さん、あなたが自分のケアをした方がいいと思いますよ」。


そこで、あぁ、一生懸命治そうとしている私の姿そのものが彼女にとってプレッシャーとなって症状を悪化させているのかもしれないな、と気が付いた。

それで、「効果はありそうだけど私が精神的にストレスだと思っていること」を全部やめてみた。


ベタベタするものが嫌いな私はオイル系が苦手。
だからケアから「ベタベタするもの」をやめた。


ちょうどそんな時、美容師の友人の知り合いが、クレイを使った美容法のワークショップをするというので興味本位で参加してみた。

サンプルにもらってきたクレイを使ってみたら、ベタベタしないし、とても気持ち良い。しかも娘の肌にも合いそうだ。クレイは余分なものは吸着して落として、必要な潤いは残してくれるので、石鹸で洗わなくてもいい。



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今年も冬がきて、また娘の痒い痒いの時期になった。駅ビルに入っている生活の木のショップで一年前使っていたあのクレイを見つけて、「そうだ」と使ってみることにした。

クレイは色によって発揮する効果が違うのですが、今回は娘用&私の洗顔用に、いつも買っていた一番スタンダートな白色と、冷え対策のために脂肪燃焼効果の高い赤色クレイを初めて買ってみた。

私はボウルに少量のお水を入れて、その上にクレイパウダーをのせて水分を浸透させる。その間に着替えて、洗髪を済ませる。

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ちょうど良い頃合いになったら、水分を調節しながら練ります。吸水性がいいので、水分はちょっとずつ。あんまり水が多いと流れてしまいます。

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色によって水分の含み方が違うので、好みで粘度を調整しています。赤はどろっとしています。

湯船の中で家族で塗りあいっこをして、そのままお風呂に入るとクレイバスになります。子供は泥遊びをしている感覚なのでとても楽しそう。器やスプーンは子供が遊びやすいようなものを買いました。


赤色のクレイは初めて買ったけど、すごく体がよく温まり冷えと一緒に浮腫がとれました。酸化鉄による赤々としたその色を見ながら、今年の2月に旅行したフランスのオーベルニュ地方のマリア像を思い出した。
そして、何気なく同封された説明書を見てみると・・なんとオーベルニュ地方産と書いてあるではないですか。びっくり!

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オーベルニュ地方のことは、毎週更新している「フランス滞在記」の方で改めて書く予定ですが(超スローペースで進んでいるのでいつになるやらですが)、この地は温泉がある火山の岩石が作った土壌で、キリスト教が布教される前からその土地にあった地母神信仰の名残を感じさせる不思議な場所でした。

きっとまた訪れるような気がしています。

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赤マリア像は、ル・ピュイ地方で昔、病気に苦しんだ人が丘の上にマリア様が降臨されたのを見て建てたという言い伝えがあり、病気の治癒のための巡礼地となっていたようです。

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ほかほかの湯の中で、脳裏に丘の上で子供を抱いて微笑む赤マリア像を浮かべながら、「あぁそうか、子供のケアというのは親子ともに気持ち良いと思えるものでないといけないんだな」という思いが訪れた。


それはもしかしたら、ごくごく当たり前のことなのかも知れないのだけれど、今の私にとって自分の親としての真理に寄り添う深いまなざしのような気がしたのだ。







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