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『花火』 夜のとばりが下がり、 太陽の熱のなごりが闇につかまる。 そして花が咲いた。 夜の花の命は短い。 けれど、色とりどりの花びらは ちり際に、色の秘密を公然と語る。 色は光から生まれるのではない。 色は、光と闇の その間から生まれてくるのだよ、と。 * 娘が描いた絵。宇宙人さんかな? 今年の立秋は素敵なことが起こりそう。
『手まねきか、さようならか』 セミの音に混じり、 時折夏の終わりを告げる風が吹く。 藤棚からたわわにぶら下がる紫たちが、 ゆらゆら、私に手をふっている。 手まねきしているのか、 それとも、さようならか。 さっきまで涼しげに響いていた風鈴の音が、 そこはかとない切なさをまとっている。