日本語の不思議03
進化する日本語
「はひふへほ」は「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」だった!?
―私たちが普段使っている日本語を、学問として学ぶとはどういうこと?
1年次に履修する「日本語学概論」では、普段、無意識に使っている日本語を掘り下げて学問的に説明します。
例えば、「アボカド」なのか「アボガド」なのかという問題。外来語なので英語表記に則って日本語にすると「アボカド」が正しいように思えますが、話し言葉としては「アボガド」がよく使われます。
実は日本語では、濁音と濁音に挟まれる音は濁音にした方が自然な発音になるのです。日本語では2つの単語がくっつく時にも濁音が使われます。「山」と「寺」がくっつくと、「やまでら」と発音しますよね。これを「連濁(れんだく)」と言います。
―面白い!私たちは無意識に日本語の文法を身につけているのですね。
日本語が面白い!となったら3年次以降に「日本語学特論」が待っています。これは古典や文献を分析しながら、1,000年前にどんな日本語が使われていたかを学ぶ授業です。
古代から始まり、現代の日本語がほぼ完成したとされる江戸時代までを扱います。現代語は古典の積み重ね。日本文化学科には国語の教師を目指す学生が多いので、とても役に立つ授業です。
―どんな文献で勉強するのですか?
例えば、1592年にポルトガルから日本に渡ってきた宣教師が作った本。日本語と日本の歴史を知りたい宣教師のために、平家物語をすべてローマ字で書いています。
それを読むと、当時の日本語の発音が分かります。平家は「feike」と書いてあって、当時は「フェイケ」と発音されていたことが知られています。ほかにも人は「フィト」。
はひふへほは「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」だったようです。この500年で日本語がどれだけ変化したかが分かりますよね。
―日本語は生きているんですね。
そうです。言葉は三世代経ると古くなると言われています。言葉も洗練されていくんですね。古文では尊敬語も謙譲語もありますが、今はほとんどありません。
面倒な敬語はなくして「です、ます」だけで十分。若い人たちの間では「バイト敬語」なんていうのも流行っています。「~でよろしかったでしょうか?」は、相手に対して一目置いているという気持ちは示せます。
日本語学を通して歴史や社会の変化を見る
―言葉の変化を知るには歴史を学ぶ必要もあると。
人文学部には幅広い知識を身につけられる授業がそろっているので、ぜひ歴史や文学も一緒に勉強してほしい。すると日本語の成り立ちと、日本の社会がいかにでき上がってきたかというつながりや、今も残る日本語のわびさびも知ることができます。
―民俗学との関わりも面白そうです。
民俗学者の柳田國男は、言葉を非常に重視していました。彼は日本全国でカタツムリの方言を調べ、地域によってマイマイやデデ虫と呼ばれたり、ナメクジとも呼ばれることをまとめています。民俗を知る上で言葉はとても重要なファクター。人間が使う一番基本の道具が言語ですから、そこからさまざまな学問が派生していると私は思っています。
―EメールやSNSは、言葉の変化に影響を与えますか?
確かに昔よりも急速に言葉が広がるようになっています。昔は方言が伝わる速度は1年に1kmと言われていました。つまり、100km先へ方言が定着するのに100年かかったというわけです。
京都から青森までは1,000km。青森の方言の一部は1,000年前に京都で話されていた言葉なのです。1,000年たってようやく青森に到達した頃には京都ではすっかり昔の言葉。
しかし、今はテレビやラジオ、SNSによって、言葉は一瞬で遠くまで飛ぶようになりました。
西表島のお年寄りが使う言葉は、平安時代の京の言葉のようです。
―言葉をひもとくと、歴史や社会の移り変わりも見えてきますね。
ぜひ見てほしいですね。自分たちもその変化の流れの中にいるのですが、一歩引いて「この変化は、この流れの一環なんだ」ということを客観的に把握します。
すると興味は歴史や文化などに広がっていきます。それを研究につなげてほしい。日本文化学科は卒業論文が必修です。大きなテーマを自分で決め、今まで知らなかったことを自分で調べてまとめる。
それまで知られていないことを明らかにするのは、勉強の醍醐味です。頭がやわらかい大学生の内に、ぜひ手強い題材にも積極的に取り組んでほしいです。
人文学部日本文化学科 教授
徳永 良次
主な担当科目/日本語学概論、日本語学特論より
では、言葉のはじめは?
いつ、どんな形で言葉が生まれたのだろうか?
そしてどのように進化してきたのだろうか。
『ドサ』、『ユサ』という、どこさいく、湯に行くという
意味の東北の方言は、1000年遡れば、京の言葉という事になる。
環境と必然性で進化する日本語の起源を探りたいものです。
ら、抜き言葉 AI による概要
詳細
新しいタブで開く
ら抜き言葉とは、本来「ら」があるべきところに「ら」が抜けた言葉遣いです。動詞の未然形に「れる」「られる」などの助動詞をつける際に、ア段音である「ら」を入れないで「れる」をつけてしまう言葉遣いを指します。
「見れる」「起きれる」「寝れる」「食べれる」「来れる」などがら抜き言葉の例です。
ら抜き言葉は、未然形の語尾がア段音にならない上一段活用動詞や下一段活用動詞、カ行変格活用動詞などで発生します。
ら抜き言葉は、現在「日本語の揺れ」として扱われており、共通語においては誤りとされています。新聞などではほとんど使用されていませんが、書き言葉においても分野によってはその使用例が報告されています。
また、仲間同士の間に多く使用されているラ抜き言葉は、仲間同士としての意識を高めたり、相手親しみを与えたりする効果を狙って使われているのではないかとも考えられています。
文化庁 | 国語施策・日本語教育 | I 言葉遣いに関すること
ア いわゆる「ら抜き言葉」 ... 書き言葉においても分野によってはその使用例が報告されている。 しかしながら,この言い...
文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 第20期国語 ...
ら抜き言葉の氾濫で、言葉の意味が互いに通じなくなる?
2021/04/28 — ら抜き言葉は未然形の語尾がア段音にならない上一段活用動詞(「見る」など)・下一段活用動詞(「食べる」...
メトロノワ
「ら抜き言葉」は理由があります。 - ルネサンス日本語学院
2016/09/26 — 「ら抜き言葉」は、現在「日本語の揺れ」として扱われているので、日本語のテキストにも「ら有り言葉」が載...
ブログ|ルネサンス日本語学院
話し言葉の表現としての ラ抜き言葉に関する研究概観
上記の②のポジティブ・ポライ トネスは,例えば,相手の何かを褒めたり,共通の趣味を強調したり,相手を楽しくさせるよ うな...
コーパスに基づく言語学教育研究拠点
ら抜き言葉 - 話しやすい人 話しにくい人 - ビジネスアシスト
「ら抜き言葉」をご存知でしょうか。 『「見れる」「起きれる」「寝れる」「食べれる」「来(こ)れる」など、「~れる」の形で...
ビジネスアシスト
「いじれない」 - 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所 - NHK
2000/06/01 — 「ら抜き」は、その名のとおり本来「ら」があるべきなのに「ら」が落ちてしまっているものを言います。 一...
NHK
生成 AI です。
ウェブページから抽出された強調スニペット
いわゆる「ら抜き言葉」とは可能の意味の「見られる」「来られる」等を「見れる」「来れる」のように言う言い方のことで、話し言葉の世界では昭和初期から現れ、戦後更に増加したものである。
日本語俗語辞書というサイトがある、ここでは俗語が集められている。
「めっちゃ」は、長らく若者言葉として君臨してきた「超」を押しのける、「めっちゃ」すごいことばなのです。 「めちゃくちゃ」や「むちゃくちゃ」が元で、仏教用語の「無作(む・さ)」にさかのぼるといわれます。 現象を超えた真理などの意味があります。 ちなみに「滅茶」などの漢字は当て字です。
東京のほぉ~言!!
めっちゃ
《意味》とても
《分布》関西→東京→全国
もし、若者のまねをして「とても寒い」と言いたいなら、「ちょーさみー」ではなく「めっちゃさむっ」がおすすめです。
「めっちゃ」は、長らく若者言葉として君臨してきた「超」を押しのける、「めっちゃ」すごいことばなのです。
「めちゃくちゃ」や「むちゃくちゃ」が元で、仏教用語の「無作(む・さ)」にさかのぼるといわれます。現象を超えた真理などの意味があります。ちなみに「滅茶」などの漢字は当て字です。
2000年ごろまでは、「めっちゃ」は東京でも有名な関西方言でした。しかし11年の調査では、東京を含む全国の9割の大学生が使用すると答えています。もはや若い人にとって「めっちゃ」は関西方言ではないようです。
東京で「めっちゃ」がよく使われるようになったことで、全国へと広がり、方言の持つ地域性がどうやら消えてしまったようです。関西方言の代表的な言葉であっても、「東京の方言」と思う人すらいるのではないでしょうか。
(鑓水兼貴・前国立国語研究所非常勤研究員)
このように、チョーからめっちゃ!へと言葉が変化していくのでしょう。
これは、日本語が変化と進化を含んでいる証拠でもある。
では、めっちゃを超える言葉を生み出すか見てみたいものですね。
サムライとか神なんかが使われそうである。