働き方改革の先
仕事の効率を図るために、どんなことにもマニュアルがある。
一番に出勤した人は①カーテン(ブラインド)を開ける。②窓を開ける。など、順を追って仕事が振り分けられている。新入社員でもすぐにできる。要は、マニュアル通りにやっていれば間違いがない。
その代わりに、足元にゴミが落ちていても、拾ってゴミ箱に入れる人はいなくなった。マニュアルにない。私の仕事ではない。無駄な労力は使いたくない。それとも、次の仕事、その次の仕事、、とマニュアルに追われて周りが見えないのだろうか。
近年、働き方改革を掲げて、ノー残業や有給休暇の消化などを推奨する会社が増えてきたようだ。労働者側に都合の良い条件が整い、これまで以上の働きを見せる、、かと思いきや、そうでもないような気がする。権利ばかり主張して感謝の気持ちなど微塵もない、そんな働き振りに思える。
これまで、気持ちよくやって来たサービスも、無駄な労力と受けとめるのか。私の仕事ではない、私のマニュアルにはない、と。
昔は、先輩の仕事を見て真似たものだ。先輩に従うのは当たり前だった。
今はマニュアルがないと動かない。掃除ですら人任せで、「私がやります!」と飛んでくる若者はいなくなった。自分の考えを主張し、通そうとしてぶつかる。体が動かない分、口は立つ。今どきの傾向なのだろうか。
私の見てきた世界と世間一般は共通するものなのか分からないが、自分が接する身近な生活の中でも少々感じるところが増えてきたことを実感している。
スーパーに買い物に行った時のこと。
最近ではセルフレジも増えて、スピーディーに精算を済ませられるようになった。が、私はいつもの習慣で店員さんのいるレジに並んでしまう。
どっちが良いのか、、帰り道にいつも悩む。
セルフレジは、カートごとレジ機に横付けできるから、重たいカゴを動かす必要がない。だけど、「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました」もないのは寂しい。
でも、でも、店員さんのレジは誰一人としてカゴを持ち上げたり引き寄せたりしてくれない。お客さん任せになったのか、、そんな気がするのだ。
私の勘違いであってほしい。
思い過ごし、、、そんなはずはない、、、
そう思いたい一心で、今日も店員さんのレジに並ぶ。
機械が、何でもサラリとやってのける時代。
人間にしかできないサービスを続けることは、そんなにも難しいことなのか?面倒くさいものなのか?やってもやらなくても給料は変わらない。ならば労力の無駄遣いは止めよう!ということなのか?
これは働き方改革とは言わないだろう。
働き方改革は会社が社員のために考えること。会社は、勝手に手抜きをしてサービスを怠ることは望まないはずだ。自分目線の損得は、いずれ自分の首を締めることになるのでは?と思う。
世知辛い世の中というべきか。
そのうちに挨拶や笑顔も有料になるのでは?と先行きに不安を覚える。