東洋医学のはじまり
東洋医学が始まるまで
人類の始まりは約200万年前のアウストラロピテクスと言われています。この頃の治療は、本能的に傷口や痛むところを「なめる」「おさえる」「さする」といった行為でした。その後、文化や言語が発達し、病気の原因は悪い霊が人に取り付いて起こると考えるようになりました。紀元前1600年〜紀元前1046年、中国の殷王朝時代になると治療はお祓いや祈祷(きとう)などの呪術が中心になりました。当時は、亀の甲羅や牛の肩甲骨に文字を書き裏から火であぶり表面にできた亀裂で吉凶を占っていました。この呪術的医術が東洋医学の原型です。
霊的観念から哲学思想へ
中国は春秋・戦国期を経て「気の思想」が生まれました。気の思想は「陰陽論」とともに発達した哲学です。少し話がそれますが、この哲学について解説します。なぜなら、東洋医学では哲学が前提となっているからです。
当時は顕微鏡のようなものはなかったため、目に見えないものを霊として考え、霊が病気を引き起こしていると考えていました。しかし病気の原因を霊だとするには限界がありました。それは、祈祷や呪術では治らないことが多かったこと、霊だけでは病気の説明がつかなかったことが考えられます。そこで病気の考え方を見直したのです。
人はなぜ生まれて死ぬのか。
人とは何か。
自然と人の関係は。
生命とは何か。などなど。
こういった基礎的なことををひたすら考え抜いたのです。これを哲学と言います。ここから導き出された思想の一つが「気の思想」なのです。
気とは何か
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