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Charcuterie For Dogs #5 原材料とニンニク問題


これはCURLY FLATS FARMの表庭での出来事、ドッグフードのブランド立ち上げへの道のりの記録です。

これまでのお話はこちら
#1 ドッグフードを作るぞ
#2 驚愕の事件
#3 パッケージと試作その2
#4 栄養成分検査



原材料について


1番上から時計回りに、昆布、お米、アマニ 、にんにく、ハスカップ


CURLY FLATS FARMのペットフードブランド、「Doggy Style」の犬用ソーセージ はなるべく地元エリアで採れるものを原材料に多く使用するようにしています。



1)黒豚肉

一般に脂肪分が多くペットフードの原材料としては第1選択にはなりにくい豚肉ですが、CURLY FLATS FARMは実はたぶん国内でも唯一と言っても良い食用の未去勢オス豚を生産しています。(なぜ食用の未去勢オス豚が珍しいかという話は#1をご覧ください)

オス豚は去勢していない場合、テストステロンの働きによってより脂肪がつきにくく、筋肉質となります。
また、個体により独特の獣臭(雄臭)があり、犬たちにとっては魅力的な香りと言われます。

わたしたちの犬用ソーセージはこのオス豚を原材料として作られています。

わたしたちのファーム では、豚たちは周年放牧で生活し、成長ホルモンなどの投与はなし。抗生剤も治療目的以外の添加はありません。短期間で無理に太らせる方法も採用していません。



2)昆布

ファーム がある北海道日高町とその周辺の地域は、上質な昆布で有名です。
昆布は、フコイダンをはじめとする豊富な繊維、アミノ酸・ミネラルの宝庫です。



3)お米
北海道日高町は競走馬の生産で有名ですが、朝晩きゅっと冷える寒暖差の激しい気候と日高山脈からの澄んだ水のおかげで、実は美味しいお米もたくさん生産されています。「Doggy Style」犬用ソーセージには地元日高町里平地区で長年低農薬・無農薬で美味しいお米を生産している田中農園さんのお米を使用しています。このお米がどんなに特別な味わいか、もちろん人間用のお米を生産しておられるので、ぜひチェックしてみてください。



4)アマニ 
これはさすがにまだ地元産を見つけられずにいます。
北海道内、に範囲を広げれば今後の可能性はあるかもしれません。
現在は、オーガニック認証済みのアマニ を仕入れています。



5)にんにく
にんにくは現在アマニ 同様、オーガニック認証済みのものを仕入れて使用していますが、地元でも少量栽培している方もいますし、自社生産も視野に入れつつ今後地元産の調達を進めていきたいです。



6)ハスカップ
北海道、そして日高町からすこしのところにある厚真町の特産。
含まれるアントシアニンの量がブルーベリーの比ではない、「あんまりたくさん入れるんでないよ、ブルーベリーと違うんだから、真紫になっちゃうよ。」と近所の奥さんに言われるほど豊富です。



製造工程


この6つ原材料で、まずお米・昆布を一緒に炊き、そのあと、ミンチにした豚肉、その他の材料を混ぜ合わせます。

ソーセージのケーシングは天然牛腸です。

(天然牛腸は保存のため塩漬けになっていますが、流水で時々水を変えながらしっかり塩抜きしています。とはいえ、手作業であるからこそ100%残留しないとは言えませんが、犬もごく少量の塩を必要とします。)

ひとつひとつ手作業で充填し、冷蔵庫で乾燥の後、真空パック包装、既定の温度・時間加熱殺菌します。(茹でます。)

粗熱をとったら、少量タイプは計量・小分けにして真空パックの後、丸ごとタイプはそのまま、それぞれ冷凍します。


シンプルな材料をなるべくシンプルな工程で作るようにしています。


にんにく問題




さて、愛犬の食事に気を配るかた、自家製のご飯を食べさせているかたなら「むむっ」と注目したと思います。


にんにく  です。

鶏などでは駆虫剤代わりに使われ、人間にとっても健康維持にためにとても良いとされているにんにくですが、犬に関してはそれだけではありません。

ねぎの一種、にんにくに含まれるアリシンという物質が犬の胃の粘膜に刺激となったり、ねぎ中毒と同じような症状となる場合があります。

とはいえ、日本のドッグフードが基準としている「アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)」が、適量であれば中毒症状を起こすことはない。むしろにんにくの消化促進効能など、良い側面が犬の健康維持に貢献するだろうという考えを示していることから、市販のドッグフードやサプリにもにんにくが含まれているものが結構あります。


そのため、その使用の可否には賛否両論が存在します。

「Doggy Style」の犬ソーセージにはごく少量、100gあたり0.3%のにんにくが含まれています。


これは、健康維持のためにというよりは、現代の犬たちがかつての野犬とは違って、人間の食べ物により親しんでいる環境で進化をしてきている現状から、風味・香りの好みも人間に近い感覚を持つようになったと考えをもとに、その食欲をそそる小さな仕掛けとして使われているためです。


「Doggy Style」の犬ソーセージは、犬用のおやつとして与えるものです。
体格や体質に合わせた量を無理なく与えてください。
初めて食べさせるときには、お腹が緩くなる子もいますので、ごく少量を反応を見ながら与えてくださいね。


気をつけるようにしていることはバランス感覚です。

一つの説・考えに著しく偏りすぎないように、良い部分・そうでない部分、気を配る必要があること、わからないことについて視野が狭くならないようにしたいと思っています。

食べるものであるからこその安全性が第一です。

できるだけそうであることの良さは活かしたい、けど、完全無欠の無添加・オーガニックを謳うつもりもありません。
それならば土は?水は?パッケージの製法は?と調べ倒さなくてはならないことでおそらくエンドレスになるでしょう。

今後も勉強やリサーチを続け、より安心して使っていただける原材料やその形態を模索していきたいと考えています。



パンフレット完成 そして完結だぜ


ついに#5にして、「Charcuterie For Dogs」のシリーズ一旦完結です。

まだまだ乳飲み子、ハイハイくらいだったCURLY FLATS FARMの製造販売部門が、おかげさまで今年、ポツポツと小さな固定注文が入り始めてようやく伝い歩きが始まったように思います。

犬用ソーセージ は業務用卸販売が開始、すこしずつ皆さんの近くで手にとっていただける機会が増えてくると嬉しいです。


といってもまあ、ご存知のかたも多いとおもいますが、実質オーナーと二人で生産から製造・販売まで一手にやってますので、幻の、とまではいきませんが数量限定販売です。


見かけたらぜひトライしてみてください。
そして「#あの幻のDoggy Style 発見!」とハッシュタグ付きで発信してください。


最後に、まだ改良の余地はありますが、苦心して完成したパンフレットがこちらです。


5回にわたるシリーズ、最後まで読んでいただきありがとうございました。
よろしければこれからもご贔屓に。