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人事異動

7月1日付で人事異動がありました。7月は事務次官を始め幹部が動くことが多いタイミングと言われています。

会社でも同じですが上が動くと影響が大きいので、人事が発表される前にはざわざわします。


〇内示

転居を伴うことが無ければ、通常の内示タイミングは1週間前が普通の様。
断ることなど基本無いのでしょうね。



〇引継ぎ

 内示=公示のようなものなので、引継ぎにかける時間は非常に短いというかほぼないです。A4の紙1枚もらっただけと言っていた人もいました。お世話になった方にアポイントを取って挨拶もままなりません。周りの人もそれが普通なので「あいさつが無いなんて失礼だ」みたいな反応にもなりません。引継ぎが無くてもすぐにキャッチアップしていく国家公務員ってすごいなと思います。一方で、短い期間の中で専門性を高めることはかなり難しいし、長期的な視野で事業を構想して進めることもできないよなと思います。予算も基本的には単年度なので、すぐに結果が出る(簡単にできること)事業を立案することになりがちです。最近では基金化してより長期的に意味のあることをしよう、柔軟に運用できるようにしようという動きがありましたが、国会で基金がきちんと運用されているのかと詰められていたので今後どうなっていくのかわかりません。背景や意図があって新しい仕組みを作るのに、それを使う側が背景や意図を理解していないから仕組みの表面的な所や都合のいい所だけを使って、結局意味のないものになるケースが非常に多いと感じています。

 ビジョンや目的を示して、それに沿うように個々が判断して進めればそんなに変なことにならないように思うのですが、そもそも組織からビジョンが示されることがありません。人事異動後、マネージャーからビジョンが説明されることはなさそうです。これが私が霞が関に来てびっくりしたことの一つでした。何を目標にして、何をどこまでがんばればよいのかがわからず、とりあえず目の前の仕事をこなしながら覚えていくという世界。わかってきて何かやりたいと思い始めた頃には次の異動命令が出てリセットがかかります。


〇辞令交付

 異動初日に辞令が書かれた表彰状のようなものを手渡しされます。毛筆で官房長官だったり、大臣の署名が書かれています。さすがに本人が書いてはいないでしょうが、紙を用意、辞令を手渡す幹部のスケジュールを空ける、該当者に時間と段取りを連絡、当日の運営と紙一枚渡すためにもコストが割かれています。幹部から直接手渡しされることで気が引き締まるみたいな効果があるのかもしれませんが、昇格でもなく単に異動であればそこまでの感慨もないでしょうから、電子通知にするか一覧を公示するくらいで良いのではないかと思います。



〇去っていく人

 一様に晴れやかに出ていかれます。やり残したとかもうちょっとここで経験積みたかったみたいな話を全く聞かないのでそれもどうなんだと。私も例外にもれず残りをカウントダウンして心待ちにしています。戻ったらもう少し責任とやりがいを持って仕事がしたいです。

 上司が3月末で出向元に帰っていった方と再会したそうなのですが、「表情が明るく別人の様だった。こんなに変わるとは考えちゃうよね」と笑いながら話していて、手を胸に当てて考えた方がいいですよ!と思いました。

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