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【精神科】主治医のタヌキおやじ
おじさんが苦手です。脂の乗ったおじさんが苦手です。ある程度の地位があるゆえに傲慢で人の話を聞かず配慮に欠けている眼鏡をかけた小太りのおじさんが苦手です。今までの人生でふたり出会いました。ひとりは部活の講師。もうひとりはタイトルにある、今の主治医です。
タヌキおやじとの出会いは精神科への通院を初めて1ヶ月ほどの頃。学校があるため通院日を土曜に変更することになり、平日に担当してもらっていた毒素のない男性医師から引き継がれたのがタヌキおやじ。何人も医師が在籍しているタイプの病院の、院長です。
最初は待ち時間の短さに感動し、簡素に終わる診察も、まあ相応なことは言ってくれるのでこんなものかと納得していました。白衣を着ておらず私服なことと尊大な態度は気になりましたが、薬も出してもらえるし、なにより院長だし良い医者っぽいじゃないかと。
私が悪化するにつれ、不信感もつのっていきました。
まず待ち時間の短さ。これは少し考えれば明らかでした。院長だからといって持つ患者数をセーブしているわけではありません。むしろ一番多くの患者を抱えています。ではなぜ?人の話を聞かないためです。誇張ではなく、マジです。他の医師に比べ2倍以上のスピードで診察をこなします。まだ診察室に患者が残っているのに、次を呼びます。ビビります。
うつ病と診断され、でも典型的なうつ病とはまた違うようで、情緒不安定性の未熟性格、うつ傾向の強い自律神経失調症、と病名はコロコロと変わりましたが、まあ見立ては悪くない、と自分を納得させていました。(うつじゃないねーと言われた次の週にうつだねーと言われたりしてはい?🤷♀️とはなったりもしつつ……)我慢ならないいちばんは、思いやりがなく配慮に欠けた言動です。どうにも耐え難い。
自傷行為がやめられないとき、外来の診察でわざわざ親に席を外してもらい、打ち明けたことがありました。心配をかけたくなかったのと、怒られることが目に見えていたので。勇気を出して行なったその直後、親を呼び戻し、私が述べたこと全てを親へと告げました。この、外道が!!
また同じように、希死念慮が酷くなっていた時の外来のこと、「死にたい」と直接親に聞かせるのは憚られて席を外してもらい(デジャブ)、打ち明けました。私にとっては悲痛な叫びでした。返答は鮮明に頭に残っています。記します。
「あのさ、生きたくても生きられない人がいるんだよ?」
「世の中、皆が何で死にたいって言わないかわかるか?迷惑だからなんだよ」
「死にたい時?我慢だよ、我慢。皆そうしてんだ」
「お前だけ特別じゃない」「できないなら入院」
これは励ましではない、と思いました。少なくとも精神科医の弱っている患者に対する発言ではない。悪意とまではいかなくても、苦しんでいた私をかなり抉ってきたことは確かです。この、外道が!!
(入院中の他の患者さんへの対応も酷いものでした。歯が痛いから外出許可をくれと訴えるお姉さんの方を見もせず、「歯が痛くても死なねえから」と吐き捨てていました。怖。そのお姉さんのことはしばらく慰めました)
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まとめて、未だに私の心にキリキリと傷をつけてくるフレーズが
「不安定は甘え。自傷はわがまま。希死念慮は迷惑」
です。ふとした時に思い出して胸が塞がります。小さい頃から人と上手く付き合うことを信条とし、わがままを徹底的に避けて生きてきたつもりだったので……でもこれは、図星だから刺さったのかもしれないです。わがままなのかも。自傷行為は我慢してやめなければいけないことだとはわかっているんですが、なぜやってしまうのか、そこから考えて一緒に解決法を探ってほしい、せめてもう少し寄り添った言葉が欲しいと思う私は、主治医に言わせりゃわがままなんでしょう。
二度の入院中も勿論タヌキおやじが担当医で、バチバチに喧嘩をし、看護師さんに泣きつき、それでも入院中は担当医が私の人権(拘束、面会、外泊、スマホなど所持品の許可)を握っているわけですから反抗してばかりでもいられず、しおらしく手紙を書いてみたり、ニコニコ和解を試みたりしました。屈辱でしたね。二回目は特に担当医も慎重でしたが、なんとか退院にこぎつけました。
この他にも沢山のデリカシーの欠落した発言によって、出た結論は信用できないということ。なんと1年通っています!今も2週に1回通院していますが、本当のことは言えなくなってしまいました。心を完全に閉ざしました。自傷しても、不安定で薬を沢山飲んでも、うつが酷くても、変わりありませんと告げています。こんな状態、どう考えてもおかしい。
ここまで読んでくださった方は必ず疑問を抱くと思います。「どうして主治医の変更をしないの?別の病院に行かないの?」と。
主な理由は、新しい病院を探し1から説明する気力がないことです。何件か電話をかけましたが、閉鎖病棟への入院歴があると告げると紹介状がないと、と断られてしまったりもあって、及び腰になってしまいました。
加えて、この病院で無料でカウンセリングを行なってもらっていることも大きいです。1週間に1度、考えを整理することで救われています。カウンセラーさんには色々とお話することができます。有料が普通と聞いて、びっくりと同時に怖くなりました。
そして厄介なのが、このタヌキおやじ、親ウケは悪くないのです。なぜなら院長という肩書きがあって、デリカシーはなくとも一般的に正しいとされることは言うし、薬も出してくれるし診察も早い。上記したように親への説明はそこそこするんです(私の意思に反してでも)。両親に、投げられた言葉に傷ついたと訴えても「間違ったことは言っていない」「被害妄想じゃない?」と言われました。仕方のないことです。私はあくまで精神的に不安定な未成年ですから、親も長く任せてきた人にそのまま任せておきたいと思うのでしょうか。
成人したら、1人でもっと良い精神科医を探したいと思っています。それか、精神科への通院を終わりにしたい。切実に、健康な人間に戻りたいです。
書きながら、タヌキおやじとの日々で何かいい思い出はないかと考えてみたところ、
「もっと自分を大切にしなさい」
「やりたいことだけやればいいんだよ、今は」
こう言われたことは覚えていますね。以上です。
皆さんも、精神科への受診の際はお気をつけて!抜け出しにくいです!