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NHKクラシック音楽館 ブラック・ダイク・バンド
2/2の夜に放送されていた「クラシック音楽館 NHK音楽祭2024 ブラック・ダイク・バンド」。イギリスの伝統あるバンド、それも金管楽器と打楽器のみでというところに興味を持ち、視聴しました。
「オリンピックファンファーレとテーマ」
聴き馴染みのある鋭いトランペット。やはりかっこいい、ファンファーレを名乗るに相応しい。
「スター・レイク」ポール
ディズニーランドのエントランスで流れていそうな行進曲。ずっと聴いていたい軽快なメロディー。
「映画「ハリーポッター」から」ジョン・ウィリアムズ
ハリーポッターシリーズを観たことはないが、不思議な世界観に引き込まれた。音の切れと連符の技術にびっくり。
「映画「007ユア・アイズ・オンリー」から」コンティ
刻まれるドラムに載る柔らかなトロンボーンとホルンの旋律が美しい。テンポがゆったりとしている。最後のトランペット(コルネット?)によるグリッサンド、迫力があった。
「映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」から」
段々と期待が高まっていくのがたまらない。どの楽器も音が攻撃的で耳に突き刺さる。テーマを入れ込んだアレンジが非常にかっこよい。低音も存分に活躍しており満足度が高い曲。
「歌劇「ナブッコ」序曲」ヴェルディ
リズムの刻み方が好き。軍隊の行進のような荘厳さと落ち着き。ソロパートの艶やかさ。ころころとした旋律。
このブラック・ダイク・バンド、メンバーは日中、別の仕事をしているという。高校の先生だったり、ドッグウォーカーだったり。仕事の他に居場所を持っている大人に憧れるので、とても格好良く見えます。
「ヴィルトゥオジティ」ベイカー
トランペットソロ。あまりの上手さに聴いていて興奮。出される音すべてが華やかで、重みはあるけれど軽くて、ちゃんと粒だっている。音のつながりが滑らかで耳にすっと馴染んでくる。高音も痛くない。6年間トランペットを吹いていたが、この人のように吹けるようになりたかったと強く思う。
「キャリックファーガス」アイルランド民謡
何の楽器かはわからない(バリトン?ユーフォニアムと同じ音域らしい)が、この楽器の落ち着いた音色とゆるやかな世界観がマッチしている。
「ダブリンの空の下」ロヴァット・クーパー
私の好きな楽器、ユーフォニアムのソロ。超絶技巧。タンギングが鬼のように早くてびっくり。そのあとのたっぷり空間を使った旋律も美しい。最後まで民謡だった。
「レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス」バーリン
ファンタジックで怪しげなメロディーがとても魅力的。ワクワクするような曲調。オーラを強く感じる。
「リベルタンゴ」ピアソラ
さらに怪しげな曲が来た。拍の使い方やビブラートで含みを持たせた演奏が妖艶な印象。それと同時に砂漠のような雰囲気もある。
「ボレロ」ラヴェル
各楽器のソロから始まり、一定のリズムを刻んでいく音を聴いていると、身体が整っていくような気がする。トロンボーンソロがとても美しかった。
「グリーン・バレーにて」ロヴァット・クーパー
きらきらした赤い爪、ふくよかで丸みを帯びた音。作曲者の愛情のこもった曲。盛り上がりの音の広がりが胸のすきまを埋めていく心地がした。テナーホーンのビブラートが美しい。
「アンティフォニー」ヴェースピ
たっぷりしたリズムがバンドの良さを存分に生かしていた。鋭い高音と、音の重なり合い。低音のはたらきを感じた。
途中からの踊り出したくなるように軽快なリズムにのせた、ユーフォニアムとトランペット(コルネット?)の細かな音の掛け合いソロパートが大変に魅力的。ゆったりしたソロの重なりは寂しい雰囲気を醸し出していた。
後半の畳み掛けでは音ひとつひとつがキラキラとしていて、さすが金管。スパーンと届く音が気持ちいい。
「上にそして彼方へ」ロヴァット・クーパー
細かな音が出たり入ったりする雰囲気が、背中をくすぐられるような心地。低音のユーフォニアムソロのビブラートが綺麗。打楽器のリズムとトランペットのリズムが揺れる。見たことない形のミュートを使っている人がいた。どこのメーカー?
金管だからこそ出せるのであろうクレッシェンドの力強さ、迫力に圧倒された。
「ハイランド・カテドラル」コルブ&レーヴァー
どっしりと構えたユーフォニアムソロ。郷愁が漂うようなメロディーライン。駆け出したくなるスネアの刻みに、やさしい音たちが載っていく。なつかしさと希望を感じる曲。
「ゲールフォース」グレイアム
異国情緒の匂いを感じる始まり。ドラムやボンゴなどと絶妙にマッチしているその主旋律はかなり不思議。テンションが上げられる曲だった。
NHKプラスで1週間配信しているようなので、ぜひ聴いてみてください。金管楽器の世界はやはり言葉では語りつくせないほど素晴らしいです。コンサートに行きたいな。