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ブラボー氏の戦略⑦実行定着に10年
コストダウンで無借金経営までもっていったブラボー氏の戦略は、品質管理がベースです。
医療機器業界は1989年にGMP(GoodManufacturingPractice)が始まりました。厚労省主幹の品質管理体制の業界規制です。
これはのちに薬機法の改正~ISO9000準拠となっていきます。
ブラボー氏の指導の下、全社を上げTQC活動に勤しみ、毎年11月の品質月間に成果発表していました。
1990年代に入ると欧州からISOがやってきたのです。
TQCはボトムアップの手法でしたが、ISOはトップダウンの手法、やってることは同じようでもやり方がまるきり違ったのです。
ISOは全社で仕組化、継続の手法であることがTQCとの大きな違いでした。
準備に1年、わたしたちの会社は1994年に成分献血装置でISO9001の認証を取得しました。
後から知りましたが、埼玉県で最初にISOの認証を取得したのがわたしたちの会社だったのです。
ISO9000は素晴らしい品質システムで、人の仕事が明確にわかり、自分の役割もはっきりしていきました。
そしてそれは全て文書化され、明文化されているのです。
さらには毎年見直しがかかり、内部監査で実行されているかどうかのチェックが入り、年に一度認証機関の外部監査が行われ、見直しがなされるのです。
仕組みを作ってしまえば、自動稼働の非常に有用な品質システムだったのですが、構造上の大きな壁にぶつかりました。
セクショナリズムです。
各人の仕事の役割分担が明確になったのはよかったのです。
今までは、お互いフォローしあいながらうまく回せていた仕事が、突然システム上できなくなってしまった。
職責を超える越権行為は、勝手にやるとメジャーの不適合となるのです。
そして、一番よろしくなかったのが、役割が明確になったのを機に、それはオレの仕事じゃない、と言い放ち放置してしまう輩が現れてきたことです。
仕事というものの本質は、TQCでもISOでも同じです。
お客様満足度(QCD)が売り上げにつながることなのです。
役割分担を逆手に取ったセクショナリズム
仕組みを理解していない人や、拒否する人などもいて、さらにはここの境界を埋めるのに月日を要してしまいました。
結局、ISOは認証取得の計画/準備に1年、実行定着を含め10年かかりました。
ブラボー氏は、会社の品質管理体制をTQCからISOに切り替えて、その途上で生産管理と品質管理の手法を用いてコストダウン計画を着々と進めて無借金経営まで持って行ったのです。
10年経って、利益が出るようになり毎年ボーナスが出るようになったことで、社員は皆ISOに取り組むことが利益を創出することだと認識し、益々品質レベルが上がっていったのです。
どんな製品でもこの仕組みの中で回していれば、いつの間にか利益が出る製品に磨かれていくのです。
実行に移し定着するまで10年かかりましたが、ブラボー氏の一貫した品質管理体制が利益を生み出し続ける仕組みとして完成したのです。
組織は人が構成要素、仕組みだけでは魂が入らないのです。
人を動かすためには、
組織を構成する「人」の未来に可能性を提供していくことが
大事な要素なのです。
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