見出し画像

ペイフォワード

わたしは大学時代のギター部の二つ上にアラジュンさんという先輩がいました。

アラジュンさんは、後輩と行く食事でも呑みでも、必ずおごってくれました。

お金がない時でも絶対に割り勘を許してくれませんでした。

アラジュンさんの口グセは、

「オレはお前らにおごってるんじゃない、お前らから続く未来に金を出している」

「だから、お前らも後輩を大切にしろ」

「そうやって世の中は回ってるんだ。」

「でもな、お前らは同じことを無理してやらんでもいい。」

二十歳そこそこの若造が、そんなことを語っていたのです。

わたしも影響を受けて、後輩の飲み食いにバイト代が食われることがままありましたが、これを貫いたアラジュンさんには遠く及びませんでした。

敬意を表したいと思います。

翻ってお隣の韓国ですが、

韓国語に「ネリサダン」という言葉があると聞きました。

これも、先輩が後輩の面倒を見る。

そして後輩は先輩に恩返しするのではなく、後輩はその後輩の面倒を見るのがならい。

という、儒教の国、韓国ならではのペイフォワードばりの言葉があると知りました。

この考えは社会全体のならいがあってこそ成立/継続するものだと思います。

こうして未来が、先輩たちの希望として現れていっていたら、どんなに素晴らしいことでしょう。

100Love

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?