機微って難しい
わたしは以前、医療機器をつくっていました。
そのずっとずっと前、わたしの医療機器の師匠が逮捕された事件のお話です。今では決してあり得ないことです。
わたしの師匠は、クベウスという未熟児の保温器をつくっていました。
ある時、クベウスの中にいた赤ちゃんが丸焦げになって焼死するという事件が発生しました。
そういう時は、間違いなく器械のせいにされます。
師匠は、警察に呼び出され、尋問され、オタクの器械の故障で赤ん坊が焼け死んだと決めつけたのです。
師匠は、そんなはずはない!と強く訴え、燃えた器械を徹底的に調べた結果燃えた器械の中から、 ○○カイロが発見されました。
燃えた原因は、 ○○カイロの中のベンジンが密室内で気化し、蛍光灯のスパークで引火し発火、延焼したものでした。
誰が何のために、保温器の中に○○カイロを入れたのでしょうか?
調べた結果、お父さんが赤ちゃんが寒かろうとクベウスの中に忍ばせたものだったのです。
何とも言えない愛と無知による事故だったのです。
こういうことって、よくありますよね。
こんな取り返しのつかない大事故にはならないにしても、気配りや気遣いが実は相手の迷惑だったなんてこと、
もしくは、良かれと思ってやったことが、思いもかけない波紋になったり、
わたしの立ち会う工事現場でも、よくこんな嘆きを耳にします。
「どうしてこんな処に置いてあるんだ!」
「なぜ鍵がかかってるんだ!」
「どうして蓋が閉まっていないんだ!」
「なぜ、ここだけ残ってるんだ⁈」
中には、段取りや配慮でやったことがあるかもしれません。
機微ってホントに難しいです。
分からないときは、少なくとも報連相が必要ですね。
それを見つけた側の思考回路にも、段取りや好意でやったのかも?
というファンクションを融通セッティングしておくことはとっても大事なことだと思います。
大体が、あったまま、見たまんまに文句が出ますし、
あったまま見たまんまの文句を言っている方は、ホントに小さく見えますからね。
このお父さんも、
もし看護師に相談していれば防げた事故だったのかもしれません。
本当に悲しくて残念な事故のお話
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