「1番の椅子へどうぞ。」を言われないために
今が大事なとき
40歳も目前、微妙なお年頃の今日この頃。
同年代の友達と女子会していて話題になるのは、もっぱら健康のことですが、
みんなが口々に「歯医者さんは嫌いだから行かない」と言います。
けれど、私はそうも言ってられません。身近な反面教師がいるのです。
私の両親は、30代でかなり悲惨な歯の状態をしていました。
今70代の二人は、相も変わらず、いやそれ以上に歯で苦労し続けています。
私は、絶対にああはなりたくない!!!
私の歯への思いには、この決意が常に宿っているのです。
歯科医院での悲喜こもごも
歯科医院の転院を繰り返すこと4回。通いやすい歯医者さんと出会えました。
2ヶ月に一回定期検診に通い、クリーニングと歯の状態チェックをしてもらい、ブラッシング指導を受けます。
歯科専売のワンタフトブラシのまとめ買いも欠かせません。
問題がなければ、
「虫歯なし、歯肉状態もよし!このまま続けてね」
と先生から合格と励ましをもらえます。
担当歯科衛生士さんは優しくも厳しいので、めったに褒めてはくれませんが、
たまーのたまに、「今回は歯石が少なかったですよ」と言われると、これがまた飛び上がるほど嬉しいのです。
私が歯医者さんに通いやすいのは、先生や歯科衛生士さんたちとの、やり取りへの期待感が大きいのだと思います。
毎度相手がどう出るか、ちょっとワクワクして歯医者さんの椅子に座りに行けます。
歯が健康なのは気楽で本当に幸せなことです。
医院の椅子の上でも、のんきに口を開けていれば終われます。
がしかし、どうやらお隣さんはそうではなさそうなのです。
というのも、私の指定席は2番の椅子。そしてお隣の1番の椅子には必ず重症患者さんが座るらしく、それはそれは毎度恐ろしい言葉や音が、否応なしに届いてきます。
ガリガリキュルキュルと、明らかに何かを削っている強いドリルの音や、
「う〜ん、これはもう神経を抜くしかありませんね」
「もう入れ歯にする所まで進んでますね」
「どうしても痛かったら手を上げてください」
「あ、痛みますか?もう少しですから我慢ですよー」
という、先生の穏やかな声とは裏腹の、重く静かな通知内容。
治療中は、先生含めて3人掛かり。
一生聞きたくない言葉が、どかんどかんと聞こえてきます。
そんなこんなで、歯科医院から身も心も引き締まり帰ってきます。
この25年私は歯のケアを、たとえ熱があろうがコロナに罹患しようが胃腸炎になろうが、絶対に欠かしたことがありません。
今日はサボろうかと思うたび、あのお隣の1番の椅子が頭の中で浮かぶのですから。
子供時代は虫歯だらけ
そんな私の子供時代は虫歯一色。
すべての臼歯に銀色の被せ物がありました。
せっかく治療しても、固い飴やキャラメルを嚙んでは詰め物が取れ虫歯になる、の繰り返し。
当時、飴をガリガリ噛んで食べる癖があったのです。
さてそんな頃、父が歯槽膿漏による神経系と顎の骨の激痛で寝込む事態が発生。
なんとお粥さえ食べられないというではありませんか。
その痛みに耐える父の形相に縮み上がるほど恐怖を覚えました。
母も永久歯の神経を何本も抜いてきています。
だからこその親心か、二人は自慢にならない歯の痛みや治療歴を、まるで自慢話のように聞かせてくるのです。
子供は、痛い怖いお話には敏感。
内心辟易しながらも、歯は一生使う、代えのきかない大切な財産と認識できるようになりました。
家族と洗面所
さて、我が父のオリジナル歯は、あれからどんどん立ち退きの憂き目に遭い、今は総入れ歯の生活です。
朝早く、74歳は密かに入れ歯を上下全出しし、無言でそれを磨いています。
外している間、物理的に喋れない父の心中を想像しては、家族を養ってきてくれた事への感謝を感じます。
母もとうとう、部分入れ歯デビュー。これがよほどショックだったのか、最近なんと口腔ケアを見直し始めました。
疎かにしていた歯科の定期検診を真面目に受け丁寧にブラッシングしています。
すると、前より持ちこたえている模様!
何歳でも、手をかければ歯は応えてくれるようです。
ちなみに我が家は三人家族。
その洗面所はまるで大家族が住んでるように見えるほどの歯ブラシの数。
私だけで6本の歯ブラシ、4種の歯磨き粉を所持。
洗面所を圧迫してごめんなさい(笑)
マイルールは子供の時の裏返し
虫歯族だった経験から作ったマイルールがこちら。
○飴やチョコは噛まない。
○ジュースは飲まない。
○フロスは毎日欠かさない
例えば、チョコミントアイスを食べても、臼歯への影響が怖くてチョコチップが噛めなくなりました。
最後に
振り返ると危ない橋を渡ってきた私ですが、現在永久歯の虫歯はゼロ。
そして今回、投歯という言葉を初めて知りました。
なるほど、今年始めて今年辞めたNISAより断然私の中では大事な投資話です。
何十年後に、
何が食べれて何が食べられないか、
歯や神経で悩むか悩まないか、
健康か不健康か。
その全てがかかる投歯。
通院やブラッシングの時間と手間、お金、全てをかけて大切に守る、自分のための投歯です。
これは今から絶対にしなきゃ間に合わない!
「1番の椅子にどうぞ。」
この一言を、一生言われないために、今日も私は使った歯を大切に磨きあげています。