大学でいかに学ぶか

 YMCA一橋寮の皆さんがフォローしてくれるということなので大学生向けの投稿をします。 タイトルの「大学でいかに学ぶか」は私が一橋大学に入学した時の増田四郎学長が書いた本で私も読みました。半分は増田先生のHISTORYで面白かったのですが、残りの半分は大学の授業は面白くないかもしれないが文句を言わずにやれというものであまり参考にはなりませんでした。増田先生の本は今一でしたが、これは大学生にとっては大きな問題なのでテーマに選びました。

 まず、大学の授業が面白くてワクワクするという人は多くはいないと思います。そもそも大学の授業が面白くないのは今に始まったことではなく、立憲民主党の江田憲司さんも自身のプロフィールに「大学時代は合ハイと麻雀に明け暮れた」と書いています。彼が合ハイでモテモテだったかは知りませんが授業が面白ければそうはならなかったでしょう。
 
 何故面白くないのかと言えば、まず文部科学省も大学も学生に何が必要かを考えてカリキュラムを考えていないからです。例えば「第二外国語が必修」になっていますが、学者になるならいざ知らず実社会ではほとんど使うことはないでしょう。語学の勉強はかなり時間を取られます。教養課程は専門課程で何を専門とするかを考えるために自由な時間が必要です。自由な時間を得るためにも「第二外国語は選択」とするべきです。
 昔は酷いことがありました。一橋大学ではありませんでしたが、大阪大学や東北大学では第二外国語で極端に評価が厳しい教官がいて、そのために毎年あまりに多数の学生が留年するので問題になったことがありました。その被害者の一人はノーベル賞を受賞した島津製作所の田中さんで東北大学でドイツ語を落として留年しています。留年したことと大学院の試験にドイツ語があるので大学院進学は止めたと言っています。
 今考えても第二外国語が必修であるのは第二外国語の教官の失業対策事業以外には考えられません。対策としては第二外国語のように意味のない必修口座は負担の少ない教官の講座を取るしかありません。

 また、教授の講義も面白いものは多くはありません。かつては東大で現在は学習院大学の教授をしている伊藤元重のような教授は多くはありません。教授の講義はどうしても抽象的な理論が多くなり、理論のバックグランドとなる事実の裏付けは学生の方は不足しているので100%納得する結果にはならないように思います。
 対策としては経済の分野ならテレビの経済番組を見ること、あるいは証券会社の経済アナリストの講演会を聞きに行くことが一番のように思います。具体的にはテレビの経済番組ではテレビ東京の朝5時45分から始まるモーニングサテライトがいいでしょう。金利と為替の関係、景気、金利と株価の関係、景気と商品価格の関係、株価が企業にとっていかに重要であるかなど肌で感じることが出来ると思います。
 また、先日、ある経済アナリストが「コンドラチェフの波はコンクリートの寿命によって決まっている」と主張していました。その根拠を説明すると「コンクリートの寿命は約50年です。インフラとしてコンクリート製の構築物が作られたものは50年で寿命が来るので、50年たったらインフラを作り直すこととなるので景気が良くなる」と言うことです。こういった説明は大学の教授はしないので大変参考になると思います。

 4年間は長いようですが、決して長くはありません。特に昨今は4年次は就活でほとんど費やされてしまい実質的には3年ともいわれています。また、卒業後の進路を考える意味でも経済感覚が身につくような学生生活を送っていただきたいと思います。
 


 

いいなと思ったら応援しよう!