しまなみ海道
サイクリストの聖地。誰が、いつ、なぜ、そう呼ばれているのかそれを知る人は誰もいなくなってしまった。サイクリストなる物が何なのかすらわからないそれでも、しまなみ海道はこう呼ばれるサイクリストの聖地と。
帰りの車を運転しながら二瓶先生の漫画みたいな設定のしまなみ海道を考えていた。意味は無い。
そんな訳で一年ぶりくらいにしまなみ海道に行ってきた。気候や天気が最強なのでロングをエンジョイしようと思ったのでちょっと遠くに行ってみた。 6時半出発、高速で降りるインター間違ってタイムロス、10時半開始、9時過ぎ香川着。
信じられないと思うけど俺は高速で道間違う。一番ひどかったのは徳島の池田の方に行きたかったのに気づいたら鳴門にいた時。高速は取り返しがつかんからな。なぜそうなったかは知らん。
最初に断っておくけど今からのは個人の感想ね。
走って終わって思ったのが、楽しかったけどしまなみはもういいかな。ってのが率直な感想。多分これは俺がおかしい。十分に理解している。
でもちゃんと理由はある。
しまなみ海道って普通はのんびり自然を感じながら行く島々でしか出会えない景色やグルメを堪能する。まさにセンスオブワンダー。これなんですよ。楽しいサイクリングなんです。
決して鼻水と涎を垂らしながらサイコンと前しか見ずにアベレージが、心拍が、パワーが、などと訳のわからん事を言っている輩が行く場所じゃ無い。
耳鼻科に行って腰が痛いんでレントゲンお願いしますって言ってる様なもんで、お門違いも甚だしい。
なんせ補給食がこれっスからね。Xでフォローしている猛者がスーパーロング走ってる時にやっていたのを見て効率的じゃね?と思い真似した。
信号止まるたびにバックポケットから取り出して吸っていた。俺が自転車興味ない人間ならそんなヤツ見たら怖い。普通に怖い。
ボトルも今回エネルゲン。いつもはアクティバイクのグランフォンド粉だけどノリで変えてみた。効果は分からん。ただ美味い。
んで、肝心のしまなみ海道。今日の目標はアベ30キロ。一年くらい前に往復した時の記憶ではほぼ平坦、信号もほぼなく、路面ばり綺麗、島と橋の入り口の細道が分かり難く道に迷う。
こんな印象だったので行けるんじゃね?って頭の弱い事を考えていた。
まぁ余裕で無理でした。雑魚すぎる。
それでビビったけど、めちゃくちゃ人いるんよ。レンタサイクルの外国の人が。マジでほぼ外国人。アジアっぽい人もいたけど多分、台湾とか中国。
ヨイショする訳じゃないけどやっぱり欧米の人達はチャリが似合う。カッコえぇ。
アメリカンな人がサーリーのグラベルにパッキングしてるのとか痺れたわね。マジでカッケェ。
楽しかった理由がこれ。なんか走ってる人達皆んなピースフル。ウッヒョー楽しいぜ!みたいな感じか、登りで息も絶え絶えでヨロヨロしてるけど気合いで登ってたり。学生みたいなのがワラワラ冒険してたり。マジで楽しそう。柄にもなくそんなんみてたら楽しくなるよね。
その分イメージとは違った。勝手に5、60キロくらい爆走できる!って思ってたから。
これは香川県で平日の昼間しか走らないのも原因。だって走っていてもロードバイクとかスポーツ自転車に出会う事すらほぼ無いもの。
自転車に乗ってサイクリングしてる人間が沢山いる環境が初めて。ライドイベントとかも行った事ないし、一年前くらいはまだコロナの残滓の影響かここまで人いなかった。
多分そう言うトレーニング的な事がしたいなら島の外周走ればよかったんやと思う。
このイメージの違いが理由の一つ。自分の目的と場所が違った。
あとの理由は風。マジで風。これは日によると思うけど。向かい風好きな人はいないと思う。あれは心を折にくる。激坂とかなら頑張れる。でも向かい風はむり。
前半も結構な風。でも折り返してからが地獄。風が一気に強くなってしかも向かい風。
俺の脚が元気なのは大体80キロくらいまで。 その状態で向かい風ってちょっと考えてもらわんと。
そしてアホほどめんどくさがるから休憩もあんましないから余計キツい。今回もコンビニ補給で2回。まぁアベレージ遅くなる原因ですよね。
そこまで強く無いんやから休憩しながらの方が絶対速くなると思うけど、止まるんめんど。って意味わからん事考える。確実に脳に酸素が足りてない。
そして橋渡る時の横風がマジで怖い。しまなみ行った人ならわかると思うけど、あの高架下みたいな橋めちゃくちゃ怖くない? 横風エグいし。
自転車って雨降ってもバカ寒くても乗れるけど風強いと無理。吹っ飛びそうになる。一応、山岳軽量モデルみたいなバイクにホイールちょっとリムハイト高くしてるから横風が怖い。想像つかんかもしれんから体験してくれ。
グチグチうっさいのぉ、と思われるかもしれんけどこの辺はまだ、やべぇ!って楽しんでたんですよ。マジで。
100キロ超えたくらいでコンビニ補給したら足も元気になって風も追い風か無風で人も減ってたからガンガン踏んでた。せめてアベ25はキープしようと。
この後がもういいか、って思った最大の理由がやってくる。
これ今治へ向かう最後の橋。凄いロケーションでしょ。この辺は感動してたよ。HAWAIAN6のプロミスが骨伝導から流れて泣きそうになった。
そして次に流れ出したのがshibayanrecordsのモノクロ・インザナイトリミックス。この曲アホほど好きでテンションが壊れる。残り10キロくらい。踏みまくるぜ!と意気込む。
この後本物の地獄が来るのに。愚かすぎる。
地獄ってのは散々言うてる横風。洒落にならん暴風。命の危険感じてチャリから降りたくらい。降りたらなんか雨みたいなのが飛んでくる。これ海水?潮が舞っとる。
潮が舞い子が舞い。阿部共実さんの名作。などと思う余裕もなく、これチャリにかかったらヤバない?と焦る。
早く渡りたいけど乗れない。確実に吹っ飛んで死ぬ。そこから潮風浴びながら3キロか4キロ歩いた。車停めてる糸山でトイレ入ったら顔が白い。もちろん潮の塩。
仕事場に生け簀あるから海水の塩害はよく知っている。舐めてはいけない。
これで完全に心が折れてもうええわ、って思う訳です。
帰ってやりたく無いけど水洗い。これはしまなみの最大のリスクやと思う。他の海沿いならここまでの事はない。タイミングもあったやろうけど海水がチャリにかかるのは流石に嫌すぎる。
でもこの前考えたルートがね、楽しそうなんでね。しまなみ海道、さざなみ海道、とびしま海道、フェリーで今治。良くない?
200キロ走った事ないしな。
でもフェリーは時間決まってるからトラブルや得意の無計画でフェリーの時間間に合わんかったらマジで帰れんから連休とかやないと無理か。
何やかんやと言うたけどロケーション的には最高なんで人生1回はしまなみサイクリングした方がいいね。
あくまで皆んなでワイワイ楽しいサイクリングね。
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