加速するエネルギーの移行(太陽光発電の急増)
私はニューヨークタイムズの電子版を契約しており、気候変動や環境問題に関するニュースレターをメール送付してもらっています。最近受け取ったレターに、2023年の世界の太陽光発電導入量が急増したと書かれていました。BloombergNEFによると、2023年の太陽光発電設備導入量の世界合計は444GWだったとのこと。
BloombergNEFのホームページを見たのですが、その数値を探せなかったので、別のページを探してみたところ、Solar Power Europeというサイトに、
Global Market Outlook For Solar Powerという情報があって、そこに2023年の太陽光発電について書かれていました。
このサイトによれば、2023年の太陽光発電の導入量は447GWです。前年は239GWで、前年比で87%増加しました。447GWの国別内訳は以下の通りです。
中国 253 GW
アメリカ 32.4 GW
ブラジル 15.4 GW
ドイツ 15 GW
インド 12.5 GW
スペイン 8.9 GW
日本 6.2 GW
イタリア 5.2 GW
オーストラリア 5.1 GW
オランダ 4.9 GW
上位10カ国で8割を占めています。そして、中国だけで56.6%を占めています。恐るべし中国。
原子力発電所1基の出力がおよそ1GWだそうです。太陽光発電の場合、夜は発電しないし、天気によって変動するので、太陽光の発電量は原発の6分の1程度だそうです。253 ➗ 6 = 42 なので、中国は昨年の1年間で原発42基分の太陽光発電所を設置したことになります。驚くべきスピードです。
日本は世界の中で7番目、6.2GWだからおよそ原発1基分を設置したことになります。これは、脱炭素が順調に進んでいると考えて良いのでしょうか?2022年の日本の設置は6.5GWで、前年と比べると少し減少しています。上記Outlookによると、上位10カ国の中で減少したのはインドと日本だけ、それ以外は増加したとのこと。ちなみに、中国の2022年の設置は94.7GWなので、2023年は前年に比べて2.6倍以上増えたことになります。中国の急増具合と比べると日本の再生可能エネルギー導入はあまり進んでいるように見えない、と感じるのは私だけでしょうか。
最近の、日本の電力事情、状況は変化しており、従来になかった工夫や動きが見られます。今後、日本も加速度をつけて移行が進むかもしれません。なんとかそうなって欲しい物です。