働きながら税理士試験〜大学院への進学について
税理士試験には、大学院で税法に関する修士論文を書いた場合、税法科目の2科目を免除(会計学に関するものであれば1科目免除)できる制度があります。
税理士試験では会計科目2科目と税法科目3科目に合格する必要がありますが、
この制度を利用すると、税法2科目免除であれば、会計2科目、税法1科目(必須科目の法人税、所得税でなくてもいい)で合格をすることができます。
税理士試験の受験生であれば、この選択をするかどうかについて悩む人が多いのではないでしょうか?
私も後輩に相談されたことがあります。
官報合格(5科目合格)を目指すべきか。
それとも大学院に進学して、科目免除をするべきか。
今回は、このテーマについて、私なりに考えをまとめるとともに、
大学院進学を目指す場合のスケジュールについて解説します。
◆ 官報合格を目指すべき?
官報合格を目指すべきかどうか、
私は、受験する人が何を目指しているかによる、人それぞれの答えがある、と思います。
人によっては、税理士試験を完全に制覇することで自信を得たいという目標があって、官報合格が目標という人もいるし、
そもそも簡単に試験に受かってしまう人もいるし、
なるべくお金をかけたくないから、時間がかかっても大学院には行かないという人もいるだろうし、
なるべく早く税理士試験を終わらせることが目標で、大学院に行くという人もいます。
私自身は、税理士試験を受ける上での目標というか、絶対条件は2つでした。
① 働きながら勉強すること
② 30歳までに税理士試験を終えること
私の場合、大学を卒業した後のフリーター期間があるので、試験に専念とかしてる場合ではないという気持ちがあり、働くことは絶対の条件でした。
あとは、なんとなく今後の人生を考えると、キリがいい30歳までに、税理士試験は終わらせたいと考えていました。
最初からはっきりとこの2つについて考えていたわけではありませんが、税理士試験を続けるにつれて、この2つが明確になっていきました。
この2つが達成できれば、それ以外のことは(試験で受かろうが、科目免除しようが)どうでもいいなと思い、途中から大学院での科目免除に方向を変えました。
どんだけお金がかかろうが仕方ないと腹をくくりました(涙)。
(おかげでこれまでのボーナスは、全て予備校代や大学院の費用で消えています。。。)
官報合格した人は素直にすごいと思います。
あの試験に5回も合格するなんて、すごい。
それに、税理士法人に転職する時とかには、必ず税理士試験の受験科目は聞かれると思うので、官報合格をした人は、転職時にかなり評価されると思います。
一方で、初めから大学院に行く計画を立てて、大学院に行きながら、トータル3年とかで試験を終えた人の話を聞くと、その計画性すごいな、と思います。
あ、でも、そんな計画性とかなくても、大学院を卒業するも大変だよね、と思いますし、
大学院では、法律の解釈の仕方や、判例などについても学べるので、試験で理論を丸暗記するより勉強になる、という考えもあります。
試験にどんな方法で受かったかはお客さんには関係ないよね、という意見もうなずけます。
だから、人それぞれ、です。
どっちかじゃなきゃいけないってことはないと思っています。
それになにより、税理士試験に受かることはあくまでスタートラインです。
そこから税理士として、どれだけの価値を提供できるかが大事だと思います。
自分の目標と照らし合わせて、自分自身のやり方で税理士を目指して欲しいと思います。
◆ 大学院への進学スケジュール
大学院の入試は、一般的に、秋入試(10〜11月ごろ)と春入試(1〜2月ごろ)があります。
どちらも、入学は翌年の4月になります。
大学院進学を考えている人は、早めにスケジュールを立てた方がいいと思います。
というのも、
大学院は願書を出せば、誰でも入れるわけではなく、
願書と一緒に研究計画書を提出する必要がありますし、
その研究計画書を作成するためには、租税法の基礎知識を勉強するとともに、自分の研究テーマを決め、そのテーマについての資料集めも必要になります。
また、大学によっては、面接だけでなく、筆記試験がある場合もあるので、筆記試験の勉強も必要になります。
なので、税理士試験を受けながら大学院の進学を考えている人は、早めに進学先の情報を集めて、スケジュールを把握しておくことをおすすめします。
税法免除大学院の対策予備校として、新宿にある河合塾kalsがあります。
大学受験とは違ってわざわざ予備校に通わなくても、大学院には合格できると思いますが、説明会だけでも行ってみるとかなり情報を集めることができると思います。
私は行きたい大学院に確実に合格したかったので、通うことにしました。
私の大学院進学のスケジュールはこんな感じでした。
8月上旬 税理士試験
9月〜 河合塾kalsの受講開始
10月〜 研究テーマ決め、資料集め
12月 研究計画書書く
1月 願書、研究計画書提出
2月 面接、合格発表
4月 大学院入学
春入試の場合、試験が終わってから準備ができるのでおすすめではありますが、
大学院によっては秋入試の方が募集人数が多く、入りやすい場合もあるので、
どちらを選ぶかは、進学先によって決めた方がいいかもしれません。
秋入試の場合は5月ぐらいから対策が必要だと思います。
あとは、働いている人は、仕事のスケジュールもあると思うので、早めにスケジュール調整をしましょう。
あと、そもそも高卒や専門学校卒の人でも、
進学できる大学院はあるみたいです。
(高卒で税理士試験受けている人に言ったら、びっくりしてたので、知らない人も多いのかも…)
私は詳しくは知らないので、ぜひ調べてみてください!
私は高校中退して大学に行きましたが、世の中抜け道が色々とあるものですね!
ご覧いただきありがとうございました♪