山の上ホテルヒルトップ
山の上ホテルが2024年2月に休業すると公表。メディアは作家のカンヅメホテル、川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、最近では伊集院静が愛したホテル。わたしは隣り組の日本雑誌会館(マンションに)で30年働いていたので、山の上ホテルには、真にお世話になりました。2014年6月に閉館した別館地下にあったイタリアンカジュアルレストラン「シェヌー」は、数え切れないほど、様々な会合で機転の効いたおもてなしを受けた。本館と合わせ客室は50くらいの小さな規模だが、「天ぷら山の上」はじめフレンチ、洋食、ステーキハウス、バー「ノンノン」など、素敵な美食、ストーリー空間が散りばめれていた。ヒルトップホテルのとおり急峻な丘陵にあり、その地形を活かしたバー「モンカーブ」はまさに隠れ家。雑誌記者会・写真記者会の総会懇親会は永らく本館地下宴会場で開いていた。別館は明大所有になり、その後解体され、深い掘りの窪地にベンチがぽつんと佇む。休業後は86歳の建物を点検するというが、再開は見通せない。仮に建て替えても、地形からみると大規模化は難しいだろう。なんとか文化遺産として残せないか。出版界も文豪時代とは様変わりした。仕方ないではあまりにも寂しい。