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Photo by
odapeth
雑草と呼ばれる草のはなし
小さな花壇の片隅、我が世の春とばかりに咲き誇るパンジーの下。それが今回の主役です。
パンジーの下は慣れてない人間には取りきれない、栄養もある隠れスポット。
パンジーの葉が受け止めた水滴が葉柄(葉と茎の間)を伝って根元に落ちてくる。それを掠め取れる絶好のポジション。
欠点は日当たりが悪いことと、パンジーから太陽の光を求めて高く伸びれば、目敏い人間に摘み取られることか。
一般的にホトケノザやハコベ、ナズナ(ペンペン草)、カヤツリグサなどなど、どこからか種が来て、もしくは長い間地中に貯蔵されてきたものが陽の光を感じ、芽が出るにふさわしい水分量があってはじめて生えてくる。
昼と夜の気温差が大きければ大きいほどぐーんと伸びる。夏なんて陽の当たっている時間が長いし、夕立やゲリラ雷雨で水分が供給されるのでどんどん大きくなる。
ただ冬はいけない。霜とか雪は寒すぎて生きてけない。でも、植物の下なら生きていける。霜を上の植物がガードしてくれるから。
そして春になって一気に謳歌するための準備期間と思えばしのげるというもの。
かくして、人間には取りにくい場所で生き延び、花を咲かせ、実を付け、また地中で眠るのだ。
人間に摘み取られることの無いことを願いながら。
おしまい。