死中にすら進めなかった

私は今のバイトを5年ほど続けている、別にこの職歴を褒めてほしいとかどうしてほしいというのはないのだが、ただはじめたきっかけは流されて始めたようなものだった。私という人間はとにかく弱い。強かった時も勝てた時も一瞬たりとないのだ。悲しい事に、嘆かわしい程に、ただ、今の生活に満足をしていて、楽しいと感じたりするのかと問われたら「いいえ」としか言えないだろう。そんな流されてばかりで負けっぱなしの私だって「選択」をする権利のひとつはあるはずと思い、先日、父に思い切って「転職したい」と話をした。父からは金銭面についての考え方はどうだ、そもそも1人でやっていけるのか、社会人としてどれほどのものがあるのかと問われて私は一つとして答えることは出来なかった。悔しいと感じた、自分が1人でやっていけるような人間だとすら思われてなかった事に、自分のだらしなさや不甲斐なさに。なんだこのどうしようもなきゃ救いようのない馬鹿は、愚か者はと。そんな事を思った最中、父から言われた一言に正直むず痒さとほんの少しの驚きがあった。「お前が自分のことを考えてたのが分かってよかった、このまま流されてしまう気がしてならなかった」と。この時私はさらに痛感した、まだ私は死線すら通れていないのかと、死中に入るよりも前段階にいるのかと。ただ一つ分かったことがあるとするのなら「行動を起こした者にしか見えない景色を見に行くことがどれほど難しい」かということだ、今年こそは行動を多く起こして様々な景色を見ようと思う。


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