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外務大臣会見記録 2023年11月25日(土)2

0時38分 於:本省大臣接見室

冒頭発言

【上川外務大臣】
21日に北朝鮮が弾道ミサイル技術を使用した発射を強行したことを受け、先程、具体的には0時頃から約20分間、私は、アントニー・ブリンケン米国国務長官及び朴振(パク・チン)韓国外交部長官との間で、電話会談を実施しました。

この電話会談では、日米韓の外相として、北朝鮮による発射は、関連する国連安保理決議の明白な違反であるとして、これを強く非難しました。
御存知のとおり、衛星打ち上げを目的とするものであったとしても、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も国連安保理決議に違反するものであります。
国民の安全に関わる重大な問題であって、極めて遺憾であり、我が国として断じて容認できません。

三者の間では、北朝鮮が前例のない頻度と新たな態様で弾道ミサイル等の発射を行っていることは、地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であるとの認識を改めて共有いたしました。

また、14日にサンフランシスコで開催した日米韓外相会合で確認したとおり、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、日米韓の安全保障協力を含む地域の抑止力強化、安保理における対応や同志国との協力を含む国際連携等について、引き続き、日米、日韓、日米韓で緊密に連携することを再確認いたしました。

さらに、今回の電話会談では、イスラエル・パレスチナ情勢について、イスラエルとハマスとの間の戦闘休止及び人質の解放にかかる合意を含め議論を行いました。
私からは、米国を始めとする関係国の努力に敬意を表する旨をブリンケン国務長官に伝えました。合意が着実に実施され、人質解放及び戦闘休止が継続することを期待します。
以上です。

質疑応答

【記者】
今回、北朝鮮が打ち上げたとしている軍事偵察衛星が地球の周回軌道に乗ったかどうかについて、日米韓の認識はどうなっていますか。
その上で、今回の打ち上げは「成功」「失敗」か、日米韓の認識は一致したのでしょうか。

【上川外務大臣】
日本政府といたしましては、米国及び韓国とも連携しながら分析を進めた結果、北朝鮮が発射した何らかの物体が地球を周回しているということを確認しています。
当該物体が、北朝鮮が意図したとおりの軌道を周回し、また意図したとおりの機能を果たしているかといった詳細については、引き続き慎重な分析が必要と考えております。

その上で、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用した発射は、その成否にかかわらず、明白な国連安保理決議違反であり、極めて遺憾であり、我が国として断じて容認できないことは冒頭に申し上げたとおりであります。

本日の電話会談でも、そのような認識に立って議論を行いましたが、米韓の認識について申し上げる立場にはなく、また、議論の詳細につきましては、外交上のやり取りであるため、お答えは差し控えさせていただきます。

【記者】
先程の外相会談では、日米韓の外相間では北朝鮮の発射を強く非難し、この北朝鮮の発射をめぐる認識や対応で一致したということだと思うのですが、一方で、中国は今回の北朝鮮による発射を直接非難はしておらず、関係国に対しては「対話」での解決を呼びかけています。
大臣は本日から訪韓されて、日中韓外相会議や日中外相会談に臨まれるわけですけれども、中国に対してはこの北朝鮮による発射をめぐって中国とどのように議論し、また、中国にどのように働きかけたいとお考えなのでしょうか。

【上川外務大臣】
御質問いただきました日中韓の外相会合、この内容について予断することは差し控えたいと思いますが、核・ミサイル問題を含む北朝鮮への対応については、韓国はもちろん、中国との連携も重要だと考えております。

先般の日中首脳会談におきましても、岸田総理大臣から北朝鮮の核・ミサイル活動について深刻な懸念に言及しつつ、中国が役割を果たすことを期待する旨述べ、両首脳は引き続き意思疎通していくことを確認いたしました。

中国との間では、外相間を含め、我が国のこうした立場を伝達しつつ、引き続きあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行ってまいります。

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