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外務大臣会見記録 2023年12月20日(水)

10時05分 於:本省正面玄関

冒頭発言

【上川外務大臣】
令和6年度の当初予算の大臣折衝の結果を申し上げます。
先ほど財務大臣との折衝の結果、外務省として重視する2点が認められました。

第一に、厳しさを増す国際情勢も踏まえ、緊急事態対応や邦人保護、情報保全等に万全を期すための在外公館の強靱化に係る予算として約75億円を認めていただきました。

第二に、情報セキュリティ基盤の構築や情報資産の一元管理・利活用による情報力の抜本的強化のための予算として約276億円を認めていただきました。

これらの予算も活用して外交活動の足腰を強化し、歴史の転換点とも言うべき時代におきまして、一層積極的な日本外交を展開していきたいと考えております。

私からは以上です。


質疑応答

【記者】
在外公館の強靱化と情報力の抜本的強化の予算が認められたとのことですが、これについて具体的にどのようなものか教えてください。

【上川外務大臣】
まず、在外公館の強靱化ということでありますが、在外公館施設は館員・在留邦人保護の最後の砦であると考えております。
ロシアのウクライナ侵略や、またスーダンにおける武力衝突、また自然災害など有事の際の活動の拠点であるとともに、館員・在留邦人にとって代替性のない施設でもございます。

また、近年、国際情勢が厳しさを増す中、突発的な紛争やテロ等を念頭に避難施設の整備を含めた強靱な防御機能の構築、サイバー攻撃や盗聴に対する情報保全対策等、新たな脅威への対応の重要性が飛躍的に増大をしている状況であります。

そうした中にありまして、国有施設の約6割が一般的に大規模修繕が必要とされます築31年以上でありまして、老朽化が著しく進行している状況、これが現実でございます。
必要な対策を緊急的に実施することによりまして、在留邦人等の安全・安心を確保してまいりたいと考えております。

また、情報力の抜本的強化の内容ということでありますが、国家間競争が激化する中にありまして、その戦い方は伝統的な軍事力だけではなく、偽情報等の拡散を含む認知領域における情報戦に拡大している状況であります。
これに対応するため、情報収集・分析・対外発信能力を一体として強化する必要があると考えております。

外交力の根源である情報力の強化のためには、より強固な情報セキュリティ基盤を構築する必要があるところでありまして、サイバー攻撃や偽情報攻撃等、情報空間における脅威への対応能力を向上させた上で、情報資産の一元管理、そして利活用を推進していくために今回の予算を充分充てたいと考えております。

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