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onionioni2020
忍者ラブレター<毎週ショートショートnote>
毎月、月末になると彼から手紙が届く。
その手紙には忍者言葉が使われていた。
最初は何が書いてあるのかわからず、
差出人も''忍者''としか書いておらず怖かった。
だがある日いつもよりも早く家に着いたとき、私のマンションの部屋の前に忍者がいた。
忍者は私を見つけるやいなや驚いたように忍者走りで逃げていった。
その日から私はわからない言葉はネットで調べて手紙を読むようになった。
内容的には猛烈な愛を私に伝えてくれているようだ。
それからというもの、時々あの忍者が陰から私を見ていた。
いまの時代に忍者がいることにも驚きだったが、忍者なのに隠れるのがへたくそで隠密行動がまったくとれていなかった。
彼はちゃんと忍者としてやっていけているのだろうか。
そんなことを考えるようになっていた。
というのが1ヶ月前の話。
今の私はというと現代のくの一として活動している。
案外隠密行動というものは、難しいが楽しいものだ。
あの猛烈なスカウトがなければ、もしくはそれを読み解いていなければ今の私はない。
案外こんな出逢いもあるもんだな。
完
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