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友達からの四葉 4

あの日から俺と陽翔との同棲生活がはじまった

本当に毎日が夢のようだった
食べるものもあって
眠る場所もある

やっぱりなんと言っても
陽翔が俺のもとに帰ってくる

これ以上に望んだものはないだろう

朝は陽翔に「行ってらっしゃい」を言うために
ちゃんと早起きをして、
洗い物や洗濯、掃除などの家事をすまして、
陽翔と俺が食べる夕飯の買い物や支度をする

本当に幸せだ

そして陽翔との約束を守るためにも
早速、就職活動を始めるつもりだ

今日もまた夕飯の買い物にスーパーに来た
今日の夕飯は何にしよう
この前そういえば陽翔が
ロールキャベツ食べたいって言ってたな

急にこの前
「ロールキャベツ系男子がこの世界に存在するらしいぞ
お前知ってるか?」
なんて言ってきたから驚いたな


「俺それを最初に聞いた時真剣に考えたんだけど、
本当に真剣に考えてたどり着いた答えが、
引きこもりの男子のことなんじゃないかって」
「え?引きこもり?」
「うん、ロールキャベツだからキャベツを巻いてるだろ?
そのキャベツが布団で、中の肉が男子で、
そう考えたらさ、ロールキャベツ系男子になるんじゃないかと思って」
「それは違うだろ!しかも肉が男子ってなんか生々しい」


そんなこと言いながら笑い合ったな
あー本当に、本当に、本当の、本当に
幸せだ

「おっ ちょうどキャベツが安くなってる」

ブー
翔月の携帯がなった

『今日夕飯外で食べてくる』

陽翔からだった

まあ、少し残念だけどそんな日もあるよね、
会社の人と食べに行くのかな
楽しんできてほしいな

なら夕飯食べるのは俺だけか、
じゃあ、家に余ってる食材でテキトーに食べるか

今日は何も買わずにスーパーを出た

「明日、ロールキャベツにしよ」

<続く>

こちらに1〜3をまとめています。


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