(連載小説:第17話)小さな世界の片隅で。
歩は、泣きながら食べている、ハンバーガーをみて思った。
やっぱり今日は、車じゃなくて、歩いてくるべきだったと。
食べ物も、ハンバーガーじゃなくて、おにぎりとお茶じゃなきゃなと、歩はそう思うのだった。
少し落ち着いたあと、歩は、そのベンチから静かに歩み去っていった。
青空に向かって、”大丈夫だよ。”とつぶやいた。
(X-4日)
歩は、顔を隠す様に頬を伝う涙を袖で拭いて、ベンチを後にした。公園から出る時に、もう一度振り返って、ベンチに目をやった。誰もいないベンチは穏やかな日