6 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!
No.11 登場人物
登場人物メモ
帝:21歳の忍び。間宮沙織をお妃候補に任命した本人。クーデーターを起こされる一歩手前の危機的状況。21世紀より遥か未来の地球を治める帝国の帝。
颯介:ゲームプレイヤー。日本人。26歳サラリーマン。ゲームで異能習得済。21世紀の地球人
五右衛門:謎の存在。未来の辺境の惑星から来た。28歳の忍び。特殊任務あり。表の顔は奉行所勤めの沙織の同僚。
ナディア:ゲームプレイヤー。裏の顔は国際スパイで表の顔は大富豪。27歳。ゲームで異能習得済。21世紀の地球人。
間宮沙織:23歳の忍び。コスプレが趣味で大得意。奉行所勤め。いわゆるお嬢さまではあるが、実家は武家農家で、帝国の帝の妃になれるほどの家柄ではない。
なりきる術が大得意。21世紀より遥か未来の地球人。『承継門前』の秘術が、子供の頃得意だった。難易度ウルトラCの『承継門前』の術ができる。
間宮琴乃:間宮沙織の姉。超優秀な忍び。空気を震わせることができる忍びの中でもかなりレアな能力を有する。
ジュスタン:ジュスタン・デイ・サヴォイアル伯爵。中世ヨーロッパの伯爵。訳あって永遠の二十歳。
まさみ:帝お気に入りの街の喫茶の店員。美人。スパイ。赤の組織も黒の組織にも属す。21世紀より遥か未来の地球人。
貴和豪牡丹:特権階級貴和一族の忍び。貴和豪本家の娘。常に美しい振袖を着ている。かなりのキレ者。
ザリガンコ・エクスロゲ:現行投資家。21世紀より遥か未来の地球に住むティラノサウルス。地球の支配権をめぐってクーデータを起こす。
サキ:グレート・ピレニーズの一種。ひょうのように敏捷なタイプであり、帝が寝ている間に寝ずの番をしてくれる。白くて大きくてふわふわの毛におおわれていて、強い。
No.12 地球破滅シナリオからの変更点(ファイロー)
ー辺境の星、博士の計算よりー
私は、夜遅くに手裏剣と短剣を余念なく磨く。
短剣の磨いた刃に、自分の顔が映るのを眺める。橘五右衛門の顔だ。
地球破滅シナリオからの変更点は、間宮沙織の同僚に、辺境の星から送り込まれた刺客であるファイローこと橘五右衛門が登場していること。
その橘五右衛門が禁断のゲームに馳せ参じたこと。つまり私だ。
さりげなく、少しずつ緩やかに歴史変更への圧力がかかり始めた次第である。
私の任務の仕上げはこれからが山場となる。まだまだ始まりに過ぎない。
ザリガンコ・エクスロゲも、間宮沙織も帝も沙織の家族も、誰一人として、元ファイローこと私以外にこのことを知らない。
No.13 沙織の実家 間宮家のこと
ー時は数億年先の地球 忍歴2020年ー
沙織の実家は、代々続く由緒正しい地主武家だった。広大な牧場と畑を所有していた。恐竜の居住区と牧場や農場は完璧に区分けされており、牧場や畑には、恐竜は現れなかった。
父の間宮鷹蔵は、実直だが少々癖のある人物だった。しかし、沙織たちには優しかった。沙織には兄が一人、姉が一人いた。
兄の実行は、いわゆるエリートだった。作物を作ることより、学問に熱心だった。三十歳で、軍部に努めていた。
姉の琴乃は、美人でそつもなく、忍者としての能力も非常に高いけれども、少々気が荒く、男性が寄り付かなかった。よく沙織と一緒に乗馬を嗜むのが日常であった。父の鷹蔵も母の麻子にとっても、琴乃に良き相手を見つけられないことが、最近の密かな悩みの種であった。
末っ子の間宮沙織は少々奔放に育ったが、奉行所に勤めており、算盤方として、真面目に務めて三年経っていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?