親父に教わった100の考え方その7 嘘も方便
大学4回生の時、私の妹が就職の為下宿先を探していた時の話です
下宿先も見つかり、親父が田舎に帰るとき、その下宿先近くに昼間からあいている焼き肉屋がありました。
場所は古川橋という京阪沿線でした
チェーン店の焼き肉屋ではなく、ちょっと古ぼけた、庶民の為の焼き肉屋といった感じです。
多分10人ぐらい入ったら満パンになるくらいのお店
夕方の5時くらだったと思います
親父が、私に帰る前に焼肉でも食べていこうと言いい2人で入りました。
店に入ると、なぜか剥製のキジが飾ってあったり、又,朝鮮人参の入ったお酒があったりと、
韓国焼き肉屋です。
といった感じのお店でした。
私はちょっと違和感があったのですが(田舎にはこんな焼き肉屋がないし、
まして大阪に来てからもこんな本格的な焼肉屋さんに入ったことがなかったので)
親父がええ所あるやんといいながら入店したのを覚えています。
実は親父は私が小学校1年生から3年生くらいまで、仕事で韓国に着物つくりを教えに行っていました。
そのため、韓国語はべらべらでした、
すると店に入りマッコリと焼肉を注文したかと思うと、そこの店の店主のおじさんと韓国語で話しだしました
私は何を言っているのかさっぱりわからない会話を2人でしてたのですが、時に店主のおじさんが泣いたり、時に笑ったりと
2時間近く話していました(その間私は、ひたすら会話がわからず肉を食べていました)
親父も帰りの電車の時間となった時、さぁ帰ろうかとなり、お金を払おうとしたとき、そこの店主のおじさんが、お金はいらないと
言っているのがわかりました、それでもうちの親父がお金を払おうとすると半額でいいいと言っているのが子供ながらに理解できました。
そして半額にしてもらったお会計、
お店を出た後、親父に聞きました
「何んで、お金いらんといわれたん?)
すると親父が
「実はな、お父ちゃんさっきのお店の人に、韓国語で話して、私も韓国人で、日本で住んで苦労したんですって話ししてたんや」
私は思わず「えっお父ちゃん韓国人なん?」
「違うよ日本人や、話の入りにちょっと言ってみたんや、そしたら、そのあとたまたまお父ちゃんが韓国に仕事に行った所の近くで
生まれ育ったおっちゃんやって、話が盛り上がったっていう事や」
私は,何んでお金半額になったん?
親父は「話の流れで、韓国人で苦労した言うたら、お金はいらん言いはったんや」
「でもな、そのままご馳走になったら悪いと思って、今は苦労もなくなり息子と娘と仲良くやってます言うて全額払います言うたら、
ええから、半分は、おごらせてくれと言いはったんや、田舎の楽しい話聞けたから言うてな」
あっけにとられてる私に向かって。親父はこう言いました
「韓国の人やけどええ人やろ」 「お前は頭で日本人と違うと聞いて差別してないか?」
「韓国も日本も大昔は陸続きや、ある意味、日本人はもとは韓国人、もしくは中国人や、言葉が違うだけ、風習がちょっと違うだけ
日本人が偉そうにしてどないするんや、向こうが祖先やとお父ちゃんは思っとる、
お前も生まれた国や肌の色で人を差別することは絶対するなよ」
「はいっ」
それとな
「嘘も方便や」
「誰も傷つかん嘘はええねん、今日は、ちょっと得したなぁ」
何故か、こんな親父に凄いなぁと感心させられた事件でした
誰も傷つかない嘘なら構わん、どうせ嘘をつくなら堂々と嘘をつけ
そんな教訓をもっらた様な気がします。