諦めないと終わらない「悩み」
悩みを断つには経験しかなかった。
思春期に、苦痛多いこの人生を生きる意味を考え始めてしまって、不安や迷いに悩まされ続けた。
何かピンとくるタイトルの本を漁り、ああでもこうでもないとさまよった。
どこかに、生きるのに全部納得のいく答えがあると思ったのだ。
何度も「これだ!」と思ったものはあったが、日々を過ごすうちに反例に気づく。これだと思ったのに、と。
そんな頭だけの考えより、ひたすら試しにやってきたことが結局今の私になっている。
少なくとも私は、考えても無駄だった。
こうすれば上手く生きられると思い浮かべるより、何も考えずに飛び込んだ方が早かった。
自分を支えてくれそうな名言や格言を拾ったり作ったりして日記に書いていた時期もあった。
今はただ起こったことと感じたことしか書いていない。
だって数多あるアドバイスを抱えまくっても忘れてしまうから。
私の頭は、もう悩むのを諦めたんだと思う。いくら苦しみを消そうとしても仕方がないのだと身体で知ったのかもしれない。もう興味が薄い。
こんな気持ちになる近道はなかった。悩み続けて進めなかったけど、最後に見切りをつけるには必要な時間だった。
あの時、慌てて人生を終わらせなくてよかった。
悩んでも答えは出ないが無駄じゃない。悩み続けること自体がいつか「気が済む」境地にたどり着けるのかもしれない。