倒れているおばあちゃんを助けた話~塞翁が馬~
昨日、倒れているおばあちゃんを助けた。
赤ちゃんのお昼寝が長く、離乳食が2時と遅くなった。
支援センターへは2時半~3時に行くつもりが、後ろ倒しとなり、出発が遅くなった。
支援センターに着いたら、シリアル&牛乳を飲ませるため、それらをカップに入れて車のカップホルダーに置いて、3時過ぎに家を出発。
いつも通りの道を運転すると、道路に黒い何かが。
多分、人だ!!
よく見えないけど、“倒れているであろう人”だと思った。
その“人”であろう黒い何かは、全然動かない。
「あ、これヤバい。危険な状況だ!」
私の車には赤ちゃんがいる。
それは承知で、ハザードをつけて、エンジンを切る。
赤ちゃんをエアコンの効かない車に残して、携帯を持って“人”のところへ走る。
高齢のおばあちゃんが倒れている。
迷わず、すぐに119番する。
車内に赤ちゃんを残しているため、おばあちゃんに声をかけたりする暇はない。
とにかく救急車!!
赤ちゃんは車内、しかもエアコンがかかってない。
なぜエンジンを切ったかって?
私が電話をすると、車内のスピーカーとなってしまうのだ。
車内のスピーカーだと、道路に倒れるおばあちゃんの様子を見ながら電話で説明ができない。
赤ちゃんを長時間放置するつもりはないので、エンジンを切って赤ちゃんを置いてきぼりにすることにしたのだ。
(今思えば…赤ちゃんを抱えておばあちゃんの元へ駆け寄れば良かったな…でも、赤ちゃんをチャイルドシートからおろすのは多少時間がかかるから……一刻を争う感じだったので、今回のように赤ちゃんを残してすぐさま駆けつけたことは正解だったのか…難しい…)
119番に、場所の説明をする。
「○○町のスーパーの近くです!~~の裏です!」などと詳しく説明すると、場所の確認はできたようだ。
『その方に意識はありますか?』
「おばあちゃんは顔はあげて、目は動いてます!」
など、やり取りをする。
私の車は道路の端に停めていて、それを横切ろうとする車が来たので、その車の運転手に私を手をふった。
中年の男性がおりてきた。
119番と繋がった私の携帯を、男性に渡して、おばあちゃんの様子の説明をかわりにしてもらう。
「すみません、私車に赤ちゃん残しているので、この電話をお願いします!」とお願いした。
時間にすれば、3~5分くらい?
赤ちゃんは大泣きしてる。ごめん。
赤ちゃんを抱えて、再びおばあちゃんと男性の元へ。
(今思い返すと、赤ちゃんは私が抱っこしたら泣き止んだ。赤ちゃん偉い!!)
男性が必死に状況説明の電話をしつつ、おばあちゃんに寄り添っている。
そこにスーパー帰りであろう自転車の高齢の女性が来た。
私は駆け寄って、「お水ないですか?!倒れているおばあちゃんに飲ませたくて!そこのスーパーでお水買ってきてもらえませんか?!後でお金払いますから!!」とお願いする。
女性は、近くの家をピンポンしてお水をもらおうとするが、応答がなく、スーパーに行ってくれた。
倒れているおばあちゃんは「水は家にある」と小声で言う。
『いや、お家に水はあるでしょ、熱中症かもしれないから、今お水飲まないといけないのよ!』と心の中でツッコむ。
私は車内の我が子用のウチワがあることを思い出して、車内のウチワを持ってきて、おばあちゃんに向かってあおぐ。
男性も、倒れているおばあちゃんの日傘をさしてあげて声をかけている。
「日陰のところに移動できたら良かったんだけど」と男性。
そう、よりによって日陰でなく、日差しの下で倒れているのだ。
私が見つけるまでの間に、おばあちゃんは一体ギンギンの太陽の下でどれくらい倒れているのだ?
救急車の音がする。
「救急車の音がしてきた~」
「もうすぐ救急車来るからね~」
「大丈夫大丈夫~」
と、男性と私で励ます。
お水を頼んだ女性が来て、おばあちゃんにお水を飲ます。
おばあちゃんはやはり「水は家にある…」と言う。
とにかく水を飲ますと、2口ほどゴクゴク。
救急車到着!
おばあちゃんは救急隊員に担架に乗せられて運ばれる。
救急隊員に3人の関係性を聞かれ、「それぞれ通りすがり」と答える。
男性と女性にお礼を言って、自分の車に乗り込む。
通話時間を見ると、10分ほどだった。
私に抱えられた赤ちゃんも、泣くことなくおりこうさんに救急車を待っていた。
赤ちゃんすごいぞ!!我が子よ、頑張った!
無事に支援センターに着く。そこの駐車場で、シリアル&牛乳を赤ちゃんに食べさせる。
「暑い車内に10分放置した牛乳だけど…大丈夫かなぁ」とカップを持つとそれなりに冷えていて、においを嗅ぐと新鮮だった。
赤ちゃんに与える。
私もその牛乳を飲むが、大丈夫そう。
現に今、この記事を書いている今、赤ちゃんも私もお腹はくだしてない。良かった。
多分大丈夫だろう。
(さすがに、20分近く放置していたとしたならば飲ませてないです…あしからず)
支援センターのお部屋に入ると、前日に会ったパパ&息子さんが。
「あ!昨日の!こんにちは~」とお互いに声をかける。
「さっき、倒れているおばあちゃん助けたんですよ~」と話す。「熱中症で転んで足くじいたのかな~」など話す。
我が子と、その息子さんでわりと仲良く遊ぶ。
我が子は元気そう!良かった!!
“人間万事塞翁が馬”だな、と思う。
もしも、私が支援センターに予定通りに出発していたら、あのおばあちゃんは私が発見するよりももう少し遅くまで日差しの下で倒れていたままかもしれない。
そう思うと、人間万事塞翁が馬。
今日の予定が後ろ倒しになって良かった。