素人の考古学―神奈川県厚木市依知地域の群集墳巡り
厚木市依知地域は相模川と中津川に挟まれた台地で下依知と中依知があり、小規模古墳の集中地帯で150基余りある。
下依知は新しい住宅地で、中依知は畑が多く果樹園などもある。
古墳は個人宅の庭や果樹園の中などに放置され、ほとんどが古墳時代後期の10～20ｍの円墳である。
この中に40ｍクラスの円墳または方墳が数基あり、小規模古墳とは区別される。
① 小規模古墳群
地図を見ながら探したが今回は２０基見つけることができた。
畑の中の細い道に沿って古墳が続いている。
95号墳・・手前の石積
94号墳・・畑の向うに見える
93号墳・・農家の庭にある
75号墳・・果樹園の中にある
住宅街の細い道に沿って小さな古墳が続いている。
104号墳・・倉庫の前
69号墳・・石積古墳が庭にある
61号墳・・墳頂につつじがきれい
56号墳・・角地に、横穴式石室が検出されている
51号墳・・道路により削られている
古墳時代後期には古墳に葬られる階層が広がるとともにその家族も続々と葬られるようになった。
現在も自宅の庭にお墓を持っているのはこの名残だろう。
この地は武田信玄が小田原北条氏を攻撃した際の甲州軍の帰路に沿っている。
敷地の中に入って眺めていると、おたくは何屋さん？
と聞かれた。
空き巣か不動産屋に間違えられたのでしょう
➁吾妻坂古墳
国道129号線に切り取られている。50ｍ円墳
墳頂部で3基の埋葬施設が見つかり、割竹木棺や斜縁四獣鏡、竹製櫛、鉄剣、玉類188点など出土。4ｃ末～５ｃ初頭の築成。
この古墳の被葬者は、政治的、経済的な当時の有力者と思われ大化改新前の地域豪族の実態を知る上で貴重な古墳である。
➂大久根古墳
おおくね公園内に保存されている。この遺跡は縄文時代から中世、近世の各時代に人々の生活が営まれた跡があり、竪穴住居や生活道具が多数発見された。
18ｍの方墳 主体部は未調査。
周溝があり土師器が出土。4ｃ後半～5ｃ前半の築成。
➃稲荷山古墳１号墳
仲公園の上に古墳があり、かなり変形している。斜面にある岩は古墳に関係あるのか否か不明。
40ｍの円墳と推定。 5ｃ頃の築成
以上
小兵衛