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ミリシタに学ぶ部下育成マネジメント4
アイドルマスターミリオンライブ! シアターデイズ(ミリシタ)のコミュは、単なるアイドル育成ゲームの枠を超え、優れたマネジメントのエッセンスが詰まっていることをご存知だろうか?
本記事ではその中でメインコミュ第4話に焦点を当て、P(プロデューサー)の卓越した手腕を分析した。現実社会でのリーダーシップや人材育成に役立つ視点を提供できれば幸いである。
※本記事はネタバレを含みます。
先に本コミュのプレイを推奨します。
メインコミュ第4話から学ぶ
新人育成のポイント
メインコミュ第4話では、初めてセンターを任された新人アイドル「白石紬」が描かれている。彼女は生真面目で思い詰めやすい性格に加え、コミュニケーションが苦手、そしていつもPの言葉をマイナスにとらえ「バカなのですか!」とつっかかってくるという面倒くさ難しさを抱えている。
本コミュは、センターとしての重圧を感じるあまり紬が周囲との間に気まずい空気を作り出してしまう場面から始まる。しかし、Pの的確なサポートによって、彼女は壁を乗り越えセンターとして成長していく。
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部下のプレッシャーを理解し、負担を緩和する
プレッシャーを感じる紬
紬は初のセンター公演ということでプレッシャーを受けており、公演前の練習で自分の性格ゆえに根を詰めすぎてしまっていた。これが仲間との関係にも支障をきたす。エミリーや先輩のこのみの発言をもプレッシャーと受けてしまい、さらにはエミリーとの衝突へと発展した。
Pは仲間との練習を通じて紬の不安を解消しようとしたが、逆にプレッシャーを強める結果となった。これは失敗とはなったが、最終的には「できないことがあるのは当たり前」という考え方を伝えることで紬の心を軽くした。
このエピソードから学べるのは、部下のプレッシャーを理解し、個々の状況に合わせたサポートを行うことの重要性。単に励ますだけでなく、プレッシャーの原因を丁寧にヒアリングし、期待値を調整、あるいは「完璧でなくても良い」というメッセージを伝え、精神的な負担を軽減する手法。
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仲間との関係を修復する「助言」
紬の価値を伝える戦略
エミリーに対する八つ当たりでさらに落ち込む紬に対し、Pは「劇場には様々なメンバーがいる」という多様性の存在を伝えて彼女を励ました。紬が持つ「人を引き付ける力」と、エミリーが紬に対して「仲良くなりたい」と思っていたことを説明し、紬は自分の価値に気づきエミリーとも和解することができた。
ちなみにここでは「実はエミリーも紬と仲良くなりたいと思っていた」と関係修復のきっかけを提供もしている。
紬の強みを見つけ適切に伝えて紬が自分に自信を持てるよう、彼女の強みを示し、エミリーとの関係を修復する支援を行った。この「本人が気づいていない強み」を引き出して伝えることは現代において非常に重要である。
「できないことがあるのは当たり前」という本人では気づけない言葉を紬に伝えることで、完璧主義に囚われていた紬の心を解放した。それが引き金となり、彼女が自分を見つめ直しセンターとしての役割を果たすきっかけとなった。肯定する視点を与え、精神的な負担を軽減し成長を促している。
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メインコミュ第4話からの学びを
現実に活かす
ここからはこのコミュの話を実際にマネジメントや部下育成に活かすことを考えてみる。
ポイント
1.プレッシャーの原因を理解し適切に対処
部下の状況に応じたサポートを行い、負担を軽減する。
2.部下の強みを見つけ適切にフィードバックする
部下に自己受容の重要性を伝える。
部下の長所を的確に伝え自信を持たせる。
3.仲間との関係を修復する手助け
チーム内での衝突があった場合に冷静に状況を整理し和解に導く。
第3者視点から具体的な強みを言語化して伝える。
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最後に
メインコミュ第4話は、プレッシャーに弱い部下や完璧主義の部下に対するアプローチのヒントに満ち溢れている。Pのように、日々の会話や観察を通して部下の状況を把握し、個々の特性に合わせたサポートを提供することで、彼らは強みを発揮しながら成長していくことができる。以下に学びのポイントをまとめると、
定期的に部下が抱えるプレッシャーや不安を聞き出す。
部下のパフォーマンスを日々観察し具体的な行動や成果を基に長所を伝える。特に部下が気づいていない強みを引き出すことが重要。
「できること」だけでなく「できないこと」もあるという考え方を部下に浸透させ自分を受け入れさせる。
このように、ゲームの世界のPのように現実のマネージャーも「相手の個性を理解し、強みを引き出す」というアプローチを心がけられればより効果的なチームビルディングが可能になる。実践を通じて実施し、部下が強みを発揮しながら成長できる環境を作り出していくことができるはず。Pのように日々の会話や観察が現実社会においても非常に重要であるのは言うまでもない。