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ZAZEN BOYS 武道館公演について
まだまだ東京の街には慣れない。ほとんどの景観、人間に対しての興味を削ぎ落とさなきゃいけない。全部拾っていたらパンクしちまうし、拾えるほどゆっくりと流れては行かない。一方通行の狭い本屋で、せかせかと後ろから人がなだれ込んできてる感じ。これもまた良さなのかなと思える日は、おそらく私が今の人生と同じくらい、喧騒と人口密度になれたときじゃないかな。
本日都を訪れた最大の理由は、武道館公演を見て聴いて震えるためだ。我が人生において、最大の衝撃。向井秀徳ならびにZAZEN BOYS。それをまじまじと見るのは、今回で2回目だ。前回は今年に行われていたツアー。その時の楽しさをかっこよさをそのままに、私はチケットを購入したわけである。
向井秀徳はボディーブローのような衝撃を私にいまだに与え続けている。気づかぬうちの第一撃に、まる四年ほど震えている。はじめに聴いたときはもちろんピンとこない。どこもかしこの文化人(その時の私にとって)は口を揃えてNUMBER GIRLだZAZEN BOYSだと騒いでいたもんだから、格好をつけたがりの私は意地でも聴いた。まぁ、わからなかったよーーーー。最初はその荒々しさと、何いってんだかわからなさにうーーんまぁ、わからなくもないがという顔をするしか無かった。でもでもいつの間にか、再生履歴は彼らの色に。NUMBER GIRLの幻想を追い、ZAZEN BOYSの影を追った。
新宿線から九段下、本祭りをプラーっと眺めて、プラーっと本を買って、どこか座りの効いていない群衆の足取りに合わせて武道館へ。浮足立っているその雰囲気と、どこか温もりを持った殺伐風景がそこにはあった。
私にとっての東京という街は、ZAZEN BOYSによく似合う。冷凍都市とはまさにこのことだと言った感じを私は東京の至るところから感じている。かといって今住んでいるところが、温もりカントリーなのかは別だけど。冷凍都市は解凍する事ができる。向井秀徳にとってのTOKYO CITYは自転車をかっ飛ばしているうちに、雪溶けたのでしょうか。私はまだガチコチでございます。ニンゲンの多さに対する慄きは、慣れにより鳴りを潜めておりますが、いかんせん福島20周年男。まだまだ勝手がわかりません。
10/27の17:00から始まるこの公演が、私に与えるあれこれは、形を持たずとも確かなものであると、東スタンドから思っています
東スタンドで見終わりました。およそ3時間20分の最中に雨が降りはじめていた。
バカ良い。バカ良いライブだ。誇りに思うレベルのライブだ。このライブを見ながら思ったこと感じたことが山ほどある。バカ良いライブだ。
まず!!!!パフォーマンスが素晴らしい!!!!!!!どの曲もエゲツねぇテクニックと集中力がなけりゃどうにもならんきょくばっか。それをライブ版として、アレンジを加えながら、向井秀徳の無茶振りにおとぼけに応えながら、見事に完遂させたカシオメン、MIYA、柔道二段松下敦。ブラボーーー。向井を先導として動くこの3人は、もうなんか、一つの生命体のようだった。音を奏で誰かを殺し、生かすために駆動している4つの心臓。そして観客それぞれ一つの心臓。皮膚っペラ1枚の隔たりはもう関係なくなっていた。カシオメンの繊細なギター、MIYAの暴力的で優しいベース、柔道二段松下敦の迫力のあるドラミング。ぜーんぶほんとだった。冷たいビートが毛穴の隅々まで染み渡った。
そして我らがThis is 向井秀徳。Youtubeで見る20代の向井と両の眼でしっかりと捉えた向井。あんまり違わねえや。よく分からんことは言うし、見た目もそんなに変わってない。最近はボケ老人みたいにおんなじことを繰り返す。酒を飲む。かっくらう。観客を吉岡里帆だと見間違ったり、魔法のiらんどを推奨したり。しまいにゃなんだかフィギュアをびろーんびろんと引っ張って伸ばしてビートで踊ったり。お笑い芸人だと私は思っているフシがある。外し方がうますぎる。彼が芸人になったところをみてみたい。
けれどわたしたちが魅せられているのはギターを持った彼だ。ナンセンスでトンチキな彼が歌う、曲の数々は、面白いしカッコいい。泣きそうにもなる。あんなおじさんになりたいなぁとつくづく思う。
私の中でベストアクトは破裂音の朝。あんなノスタルジーの表現の仕方あります??????
それは10年前の100年前の1万年前の俺達。
この歌詞が、グッと全てを説明しているような気がして、涙が溢れてきちゃいました。
いやもう全部が最高すぎてさ、わたしにゃどうしようもできないよ。憧れるしかないじゃない。始めるしかないじゃない。
四カ月前のわたくしに、ZAZEN BOYSに、そしてトーキョーシティに乾杯。