前立腺がんだって。なんだよ、それ!#015
3カ月経った。7月5日、である。
さぁ、どうだどうだ?データ確認も3カ月ぶりだ。やっぱり、ドキドキするね。
PSA、0.024・・
すごくないかコレ・・治療開始4カ月にして0.024。発覚時から思えば、なんと3200分の1という奇跡の数値・・
ホント?
「かなり・・合っているようですね。いい、と思います。前回の数値もそうですが、2.0を切ってくるのは・・順調と、いえますね。」
先生、ボールペンの芯が出てるよ。
「どうですか?なにか体調に変化はありませんか?」
変わりない、です。 頻尿、特に夜間はヒドイままです。3時間続けて眠れません。
「かなり効果が出ているようですから、前立腺も少し小さくはなっている筈なんですが・・えー、では少し膀胱をやわらかくする薬、出しておきましょう。弾性をあげれば多少は・・」
「いずれにしてもかなり順調、です。このまま継続していきましょう。」
へそのちょっと下に注入された置き薬は、最初の2週間ほどはぼんやりと皮膚の下に透けて見える。触れれば、ある程度のかたまり感もある。
その後は知らない間に見えなくなり、異物感も消える。
飲み薬は口に入れた途端にほどけだし、仄かに甘い淡雪のような味わい。
だがその後、都合3カ月間も俺の身体を守ってくれている。不思議な気分だ。
俺は今、この2つの薬に生かされている。
しかも、安眠を取り戻すべく見知らぬニューフェイスも投入される。
頼もしくも奇妙なガーディアン・・・
世界は広く複雑だ。
もしこの日本に生まれていなければ、住もうていなければ・・
この俺は、そんな偶然のなか生かされている。
感謝、せざるを得まい・・
みんな、ありがとう!