前立腺がんだって。なんだよ、それ!#018
さて、ここからは駆け足で進めよう。
9月20日
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PSA、0.004
もう、驚かない。
「体調は?」
特に変わりはない、頻尿も変わらない。
「うーん、もうしばらく試してみましょう。たまにまったく合わない方、いるんですが、あの、体調もわるくなったりで・・
くまさんの場合、時間がかかるのかも、ということもあります。」
了解!
「とにかく、がんの抑え込みは順調です。このまま、進めましょう。」
ラジャ!
12月13日
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PSA,0.002
そう来ると思ったよ。
「いいですね。」
ほんとに。
「頻尿は?」
変わらない、効いてない気がする。
「では、違う薬を試して・・」
いや、ちょっと待って、先生・・
ちょっと生活態度とか見直して、自分なりに頑張ってみたいんだけど。
「なるほど、それも方法ですね。うん、一旦中止しましょう。」
PSAは1年前の38,000分の1以下に下がった。現代医学の勝利だ。
しかし「渡辺」先生の目指すところは「≒0」。非検知、つまり、限りなく0。
まだまだ、である。
道半ば、である。
そもそも、俺の前立腺がんは治らない。完治することはないのだ。
先生は、そんなにはっきり口に出したりしない。でもね、先生・・俺だって根っからのバカじゃない、それなりに調べたり学んだり、するよねヤッパリ。
それを踏まえて、俺は俺の身体とつきあっていくしかない。
もういい大人だし、それこそ文字通りの一蓮托生だ、威勢がいい。
とりあえず、やれることがあるうちは付き合ってもらうぜ、先生!
とかなんとか、劇画調な感慨に耽りながらコートの衿をたてたり寝かしたり・・
「次回は来年3月になります、ね。えっ・・と、13日、3月13日9時に。お薬の処方は、えー、1月31日で。」
受付で診療費明細と請求書、処方箋をもらう。
「くまさん、次回は来年1月31日ですね、
お大事に・・」
「あっそれと、良いお年を!」
ついに、現在時間に物語は追いつきました。ここからはナニかが起こらない限り、3カ月に1回程度の記録が淡々と続いていくはずです。淡々としたほうが主人公の「俺」は平和だけど・・
そんなにオモシロオカシクはならないだろうなぁ
ここまで読んでくれて、ありがとう!
良かったよ面白かったよと思ってくれた方、まぁ許してやるかと眺めてくれてる方、同じような病をどうにか笑い飛ばしてやろうとしている方、ぜひ「スキ」を押していってください、「俺」も喜びます。
もちろん、今後にもご期待、です。